ニューノーマルな働き方に備える逆質問6選
ジェームズ・ミリガン、グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジー
面接で大切なのは、応募先の企業や採用担当者にアピールすることだけではありません。人材不足に悩むIT業界は、求職者や転職希望者にとっては売り手市場でもあります。人材獲得競争のなかで、企業は、優れた人材にライバル企業よりも好条件を提示できるかが勝負の分かれ目となっています。ですから、次の面接は、その仕事が皆さんにとって本当にマッチした仕事なのかどうかを見定めるチャンスでもあります。そして、このチャンスを生かすためには、面接当日までの準備が重要となります。適切な逆質問ができるよう、事前に用意しておくべき質問をまとめました。
採用担当者と良好な関係を築くためにも、逆質問の切り出し方や内容は大切です。Web面接の場合は特に注意しましょう。オンライン上の面接では、直接アイコンタクトを取ることすらできないため、逆質問の果たす役割がより大きくなるのです。音声や映像にタイムラグが発生した場合は、会話がスムーズに進まなくなることもあります。ネット環境などが原因で音声のタイミングがずれてきたときは、面接官の話の後に少し時間を空けてから話すようにすれば、話のタイミングが被ってしまうことはありません。
ニューノーマル時代の面接で特に大切な逆質問とは?
近年は多くの企業でイノベーションが進み、その在り方が大きく変化しています。そのため、志望先の企業が何を重視しているのか、また、技術がそれをどうサポートできるかについて、アンテナを張っておくことがますます重要になっています。リモートワークであれば、採用担当者と直接顔を合わせる機会も少なくなるでしょう。それゆえ面接は、自分がどんな経験を積むことを期待されているのか、その企業の社風は自分にマッチしているのかを判断できる良いチャンスなのです。
では、どのような逆質問が効果的なのでしょうか。
「御社が目指すものは?その達成のために私が果たす役割は?」
価値観が合わない企業で働くことは、その社員にとって幸福なことではありません。モチベーションも低下し、今後の仕事や転職にも悪影響が出る恐れがあります。応募先の企業の目標と自分の価値観がマッチしているか、その企業で自分がどのような役割を果たせばよいのかを確認し理解するための質問です。
「御社が戦略上優先していることは?最近、戦略に変化はありましたか?そのなかで私が求められる役割は?」
ビジネスが新しい時代を迎えれば、企業はこれに適応しなければなりません。この時に大きな役割を担うのがテクノロジーです。応募先が最先端の技術を扱う企業であれ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める必要がある伝統的企業であれ、まずはその企業が戦略的な観点から何を優先したいのかを知ることが重要です。この質問により、現在その企業が市場でどのようなポジションにあるのかだけではなく、自分が長期的に必要な人材なのか、それとも即戦力として期待されているのかを知ることができます。
「従業員の学びや成長をどのように支援していますか?」
どんな業界でも、時代のトレンドを意識し、将来に備えておくことは重要です。しかし、こうした努力が特に求められるのがIT業界です。志望先の企業が、従業員の学びをどのように支援してくれるのか、またスキルアップのためにどのようなリソースを提供してくれるのか、については、ぜひ確認しておいて損はない項目です。このような支援は、OJTやセミナー、eラーニングなどが一般的です。「応募先の企業は、従業員の成長に力を入れているか」、「この仕事から何を学べるのか」、そして「それは将来自分の役に立ちそうか」というポイントは、未来への投資にもつながる要素です。
「ハイブリッドワークを採用していますか?その場合、どのようにマネジメントしていますか?」
応募先は、ハイブリッドワークを採用している企業でしょうか。もしそうであれば、所属チームの管理職は、どのようにチームを管理しているのでしょうか。あなたがリモートワークも発生しうる場合は、これらについても確認してくことをお勧めします。ハイブリッドワークを取り入れているチームの管理職は、おそらく過去にもリモート勤務者をマネジメントした経験があるはず、その経験からどのようなことを学んだのか、どのようにコミュニケーションし職務を遂行してきたのか、また、さまざまなバックグラウンドを持つ部下をどのようにマネジメントしてきたのかなどが具体的な質問として有用です。
「ハイブリッドワークのなかで、どのように社風を浸透させていますか?」
企業の社風も、ミッションや目標と同じくらい大切です。自分がなじめるかどうか、企業文化が自分にマッチしているかどうかも見逃せない項目です。企業のホームページを見れば企業文化についても説明されているはずですが、それだけではリモートワークをした場合の雰囲気まで読み取るのは至難の業ハイブリッドワークを導入しながら、どのように企業文化や社風が維持されているのかは直接聞いてみる価値があります。
「リモートワークでは、どのようなサポートをしてもらえますか?」
出勤しなければできないこと、在宅でも可能なことは何かをあらかじめ知っておく必要があります。この質問は単純にハードウェアやソフトウェアなどのリモート環境尋ねる目的ではありません。その会社に適応できるのか、また、必要なオンボーディング研修を受けることできるのか、を考えることが大切なのです。新しい仲間と交流するチャンスはあるか、技術部門で初めて働く場合、どのように習得できるか、同僚と交流するチャンスはあるか、キャッチアップができる定期的なミーティングやコールはあるのかなどを聞いてみれば、具体的な働き方をイメージできます。
面接は、これから働く会社を知るチャンスです。十分にその機会を活用すべく、これらの質問を参考に準備をしてみてください。
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著者
ジェームズ・ミリガン
グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジー
グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジー
2000年入社。グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジーとして、ヘイズのテクノロジー・ビジネスの戦略開発を担っている。