2023年に高需要のIT職種トップ10、3位はデータ分析、2位はクラウドエンジニア、1位は?
ジェームズ・ミリガン、グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジー
この3年間で、デジタルインフラの重要性は非常に高まりました。多くの企業ですでに重視されていたものの、ここ数年で最優先事項となり、それに伴ってIT関係の求人が急増しています。
デジタルスキルがすでに多くの人材にとって不可欠なものであり、今後も企業から求められ続けることは、疑いようのない事実です。
人材市場を世界的に牽引しているヘイズは、最新の採用動向の分析やクライアント企業の採用職種の調査を行い、2023年に需要が高まるIT職種トップ10を選出しました。技術やニーズが日々変化していることから、2022年のランキングとは異なる結果となっています。
2023年に伸びるIT職種トップ10まとめ
- 必ずしもITに関するハードスキルをもっている必要はなく、プロジェクトを統括し、知見を提供できる人材の需要が高い
- 世界中でデジタルトランスフォーメーション(DX)やイノベーションが進むなか、開発者・エンジニアが求められている
- 企業が変化に対応できる時間はあったが、変革はいまだ続いており、このプロセスをマネジメントできる人材が必要とされている
なぜ、このようなIT職種が求められているのか?
関係者全員と緊密に連携を取りながら、ITプロジェクトのマネジメントができる人材を、企業は求めています。今回のトップ10のなかにはハードスキルを必要とする職種もありますが、ソフトスキルや戦略の全体像の把握を求められるものが中心です。
技術的な知識をもつ人材の需要は依然高い状態です。開発者・エンジニアは、社内外で使用する製品の設計や構築を行うでしょう。DevOpsエンジニアも、カバーできる範囲が広いため、高い需要があります。また企業は、データを抽出し、ビジネスに知見を提供できる人材も必要としています。情報セキュリティやサイバーセキュリティのベストプラクティスを用いた顧客情報など機密データの保護も、企業にとって重要事項となってきています。
また、今後求められるスキルは適応力です。多くの人材は、成長や変革の環境で働くことになるため、アジリティ(俊敏性)が重要となります。
2023年に伸びるIT職種トップ10
10. ビジネスアナリスト
企業は、要件を収集しトレンドを見極められる人材を求めている。正式な資格を持っていなくても、実務経験のあるバイリンガル人材であれば、採用に至る可能性も。
9. 情報セキュリティ/リスクマネジメント
企業が日本またはグローバル本社の規制基準を満たせるように、情報セキュリティやITリスクマネジメントに関わるポリシーやフレームワークの作成・管理を行う。
8. DevOpsエンジニア
数あるIT職種のなかでも、幅広い職務を担当。開発者や運用担当者と協力し、新しい製品の構築や運用を行う。
7. データエンジニア
データを加工し、しかるべき状態で分析を提供すできるシステムを構築。
6. ソフトウェアエンジニア
企業のためにさまざまなシステムやアプリケーションを設計・開発。ソフトウェアエンジニアへの転職については「ソフトウェア開発に携わるには?」でも述べています。
5. ITプロジェクトマネージャー(DX)
「2022年の伸びるIT職種」で1位。企業がDXを進めるなかで、現在も需要の高い職種のひとつ。優れたコミュニケーション能力やリーダーシップが必要。
4. Java開発者
Javaは、ソフトウェアエンジニアがよく使用するプログラミング言語の1つ。Javaに精通した人材には、スタートアップから多国籍企業まで、多くのチャンスが。
3. データアナリスト/データサイエンティスト
エンジニアから提供される情報をもとに、問題解決や知見の提供を行う。経験や資格のある人材の需要は高い一方で、需要が供給を上回っているため、さまざまな学習の機会が存在。
2. クラウドエンジニア
AzureやAWS、Google Cloudなどの製品やサービスを使用し、社内や顧客のためにデータやアプリケーションの可用性や拡張性を高めるクラウドソリューションの構築・管理を行う。
1. サイバーセキュリティエンジニア
脅威の検知や、社内外のデータ損失を防ぐ新しいセキュリティツールの導入・運用など幅広い業務を担当。現在、世界中でサイバー脅威が増加しており、大規模なハッキングを受けた企業のレピュテーションリスクの観点から、あらゆる企業にとって重要な職種に。
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著者
ジェームズ・ミリガン
グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジー
2000年入社。グローバル・ヘッド・オブ・テクノロジーとして、ヘイズのテクノロジー・ビジネスの戦略開発を担っている。