給与の希望額を伝えるためには・・・

「希望の給与額はどの位ですか?」。求職活動中に、こんな質問を受けることもあるでしょう。あなたの希望給与額は、リクルーターにとっても採用担当者にとっても重要な情報です。しかし、このような質問に居心地の悪さを感じる求職者は少なくないのではないでしょうか。

多くの求職者にとって、給与の希望額を伝えることは非常に気後れすることです。なぜなら、ほとんどの場合、次のことが不明確なまま交渉しなければならないからです。A. 対話の相手はリクルーターでしょうか?面接官でしょうか?それとも両方ですか?B. 金額交渉が行われるのは、リクルーターと初めて面会するときですか?採用企業との面接の時ですか? C. どの位の金額を提示してみるべきでしょうか。また、必要であれば、どのようにその金額を交渉すべきでしょうか?

あなたがこうした交渉に向かって準備をし、自信を持って回答できするために大切なポイントを以下にご紹介します。

 

1.あなたが重視していることや優先すべき条件を整理する

リクルーターや採用担当者と面会する前に、希望の給与額を決めておきましょう。あなたのスキルや経験、潜在能力を金額で評価するためには何を考慮しなければならないのでしょうか?考えなければならないことは、たくさんあります。希望する役職や就業場所、業界、会社の規模、スキル、経験値などを整理してみましょう。ヘイズのオンライン・サラリーチェッカーにアクセスして、希望額が現在の市場トレンドにマッチしているかを確認してみても良いでしょう。

次に、新しい仕事を探すにあたり給与以外の重要な基準-例えばフレキシブルな働き方ができるか否か、ボーナス制度、トレーニングコースなど-を考慮した場合、希望額についてどの程度譲歩できるかを考えてみましょう。あなたの希望額どおりに給与を支払えない企業もあります。スタートアップ企業や非営利団体のような組織では、特にその傾向が強いかもしれません。しかし、昇進機会やワークライフバランスなど、他の条件ではあなたのニーズにマッチしている可能性もあります。大切なのは、あなたが「絶対に譲れない条件」を吟味し、給与はその中でどの位置付けになるのかを見極めることです。

 

2.リクルーターと協力する

次に、リクルーターに相談してみましょう。あなたに適職が見つかった場合、リクルーターがクライアントにあなたを推薦してくれる可能性もあります。彼らとの話し合いの中でも、給与の希望額を確認されるかもしれません。そのときは、正直に伝えて下さい。あなた自身もリサーチはしているでしょうが、リクルーターは募集ポジションの給与額や経験値、その市場価値も把握しています。また、クライアント企業が提示可能な条件についても精通しています。あなたの希望額は少なすぎたり、多すぎたりしているかもしれません。現状の把握は、早ければ早いほど良いでしょう。

リクルーターは、給与に関する情報を口外することはありません。安心してご相談下さい。給与の情報が伝えられるのは、あなたと面接をするクライアントに限定されます。では、次のステップに移ります。

 

3. 面接で報酬について話すときは?

リクルーターはあなたを採用する可能性があるクライアントと面接をアレンジしてくれます。面接に同席する採用担当者は、あなたの希望給与額を既に知っていると考えて良いでしょう。しかし、面接で直接あなたと話し合う可能性は低いかもしれません。こうした交渉は、ほとんどの場合リクルーターを介して行われるからです。ただ、もし万が一採用担当者が直接切り出してきたら、希望額を伝えることができるように準備しておきましょう。事前にリクルーターと話し合い、希望の給与額を明確にしてから面接に臨んで下さい。金額を確定したい場合や給与についてさらに交渉したい場合は、リクルーターに相談して交渉を代わってもらっても良いでしょう。

リクルーターを仲介しない場合でも、交渉には自信を持って臨んで下さい。姿勢を正してすわり、アイコンタクトを取り、「ちょっと」、「かもしれない」、「みたい」、「ええと・・・」など曖昧に聞こえる言葉を避け、簡潔に答えるように心がけることが大切です。例えば、「YXのために、できればX円くらい必要だと思うんですが」と言うよりも、「X円希望します」の方が伝わりやすいです。

 

4.リクルーターを通して交渉に備える

オファーは、通常リクルーターを通して伝えられますが、万が一、口頭でオファーを提示されその条件に満足できない場合は、その場で承諾することは控えましょう。まず、リクルーターにこの件を伝えて、交渉の余地があるかどうか確認して下さい。リクルーターは、そのオファーを不利にすることなく、あなたに代わって交渉することができます。こうしたサービスを十分に活用して下さい。

希望の給与額が必ず適えられるという保証はありません。そのためにも、リクルーターに他の交渉材料、例えば柔軟な働き方の制度やトレーニング、人材開発などについて、あなたが希望する条件を提示しておくことをお勧めします。

給与の希望額をいつ、どのように伝えるかは、あなたのキャリアにとって非常に大切なことです。これは新しい仕事に応募するときも、現在の仕事で昇給を交渉するときも変わりません。実践を踏む必要はありますが、すぐに自信を持って自分自身に相応しい条件を希望することができるようになるでしょう。

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