治験コーディネーター(CRC)の職務経歴書の書き方
効果的な転職活動のポイントを解説

 
 
治験コーディネーター(CRC)として新たなキャリアを目指す際、鍵となるのが「職務経歴書」です。治験コーディネーターは専門性の高い職業です。これまで積んできた実績や、スキルを職務経歴書で効果的にアピールすることで、転職の成功に近づけるでしょう。本記事では、治験コーディネーターの職務経歴書の書き方や転職活動で成功するためのポイント・注意点などについて解説します。治験コーディネーターに転職を考えている人はぜひ参考にして下さい。
 
 
 

目次

 

1 治験コーディネーターの職務経歴書とは?

 
 
 
職務経歴書は自分の専門性や実績をアピールするために詳細に記載する重要なツールです。まずは、職務経歴書を作成する際の基本的な考え方や、転職活動における重要なポイントを解説します。 


1-1 治験コーディネーターの職務経歴書が重視される理由 


治験コーディネーター(CRC)は、治験プロジェクトの準備や調整、運営の支援を行う、高度な専門スキルと知識が求められる職業です。そのため、転職活動では職務経歴書が特に重視されます。職務経歴書には、これまでの経験や実績を明確に示すことが重要です。 応募先企業に対して、自分の専門性や即戦力としての価値をアピールするために、治験に関連する実績やスキルを詳細で分かりやすく記載することが、成功への鍵となります。

 
1-2 転職市場で求められる治験コーディネーターの人物像 


転職市場で求められる治験コーディネーターの人物像は、多岐にわたるスキルと適性が求められます。まずは、医師や看護師など医療スタッフとの連携を行うためのコミュニケーションスキルが必要です。 
 
また、治験業務に関する専門知識への理解も必須です。その他、複数の治験プロジェクトを並行して管理するためのマルチタスク能力や柔軟性も必要です。正確なデータ管理や事務処理能力、予期せぬ問題に迅速に対応できる課題解決力とリスク管理能力も治験業務を成功させる上で求められるスキルといえるでしょう。 
 

1-3 履歴書と職務経歴書の違い 


履歴書と職務経歴書は、それぞれ異なる役割を持つ書類です。履歴書は、応募者の基本情報を企業に伝えることが目的で、フォーマットが統一されています。職務経歴書は、応募者の職務経験やスキルなどを詳細に伝える目的があり、フォーマットは自由です。職務経歴書では、自身の具体的な実績や役割を時系列で示し、応募先企業に対して専門性や即戦力であることをアピールします。履歴書と職務経歴書の目的を理解し、適切に使い分けることも転職活動を成功に導くポイントです。 
 

1-4 職務経歴書に記載すべき基本項目と役割 


治験コーディネーターの職務経歴書では、以下の基本項目を記載することで、自分の専門性と即戦力を効果的にアピールできます。 まず「職務概要」では、これまでの経験や実績を最大限にまとめます。「職務経歴詳細」では、過去の業務内容や担当範囲を具体的に記載し、「スキル・資格」では、業務に関連する資格や治験管理システムの利用経験などを挙げて、専門性を強調します。「自己PR」では、自分の強みや成功事例を具体的に考えることで企業に対する主張要求力を高めます。 
 
 
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2 治験コーディネーターの職務経歴書の自己PRの書き方とポイント

 
 
 
治験コーディネーターの職務経歴書における「自己PR」は、応募者が自分の強みや経験を企業に効果的に伝えるための重要な項目です。ここでは、職務経歴書の自己PRで特にアピールすべきポイントを解説します。 
 

2-1 コミュニケーション能力と調整力 


治験コーディネーターにとって、コミュニケーション能力と調整力は重要です。例えば、被験者である患者さんに治験試験の内容を丁寧に説明することで不安を取り除き、信頼を築くことができます。例えば職務経歴書に 「検査項目、費用などの補足を丁寧に説明した結果、治験試験の継続率が20%向上した」というような具体例を記載すると、実績を分かりやすく伝えられるでしょう。 
 
また、調整力は治験プロジェクトをスムーズに進めるために不可欠です。治験では、医師や看護師など複数の医療関係者と連携する必要があります。「予定通り完了させました」という具体例があれば、プロジェクトを支える力があることをアピールできます。具体的な成果やエピソードを盛り込むことで、採用担当者に伝わりやすくなります。 
 

2-2 被験者への対応力とフォローアップする姿勢 


治験試験コーディネーター(CRC)として、被験者への対応力とフォローアップ能力は非常に重要なスキルです。 治験試験に参加する被験者は不安を抱えており、治験試験の内容を十分に理解できていないことがよくあります。 治験の説明をする際には、患者が納得するまで丁寧に説明することが大切です。 
 
まず、医師が治験についての説明を行い、その後に治験コーディネーターが治験期間や検査項目、費用などについて補足説明を行う流れが一般的です。例えば「患者の質問に的確に回答し、その結果、治験経験の率が向上した」という具体的なエピソードを記載すると、説明能力や信頼感をアピールできます。 
 
さらに、治験が進む中で、被験者が安心して治験に参加できるようにフォローアップすることも欠かせません。例えば「患者の体調や気持ちに配慮したフォローを行い、離脱者を減らした」という実績を具体的に記載すれば、細やかな気配りや実践的なスキルを効果的にアピールできるでしょう。 
 

2-3 規制遵守能力と高い倫理観 


治験コーディネーターには、厳しい審査や倫理基準を守る能力が求められます。治験はGCP(Good Clinical Practice)などのルールに基づいて行われるため、これを正確に踏まえ、遵守することが重要です。 
 
治験の手順やデータ管理をルール通りに進める規制遵守能力は治験コーディネーターが信頼を得るために必要です。例えば、「GCPを厳守し、データの正確性と治験の安全性を保った」という実績があれば、企業に信頼感と実務スキルをアピールできます。 
 
高い倫理観をアピールする具体例として「患者の体調に配慮しながらリスク管理を徹底した結果、治験継続率を向上させた」という経験を記載すると、倫理観に基づいた対応力が伝わります。 
 

2-4 データ管理能力とITスキル 


治験コーディネーターにとって、正確なデータ管理や報告書の作成は必須の業務です。データの正確性は治験結果に直結するため、正確なデータ入力や管理のスキルが求められます。例えば「データ管理を徹底し、誤入力を防ぐためのチェック体制を構築した」という具体例を記載すると、データ管理能力の高さを効果的にアピールできます。 
 
また、治験コーディネーターはITスキルも必要です。電子カルテや治験管理システム(EDC)の使用経験があれば、具体的に記載しましょう。例えば、「治験管理システムを使ってデータを一元管理し、業務効率化を図った」というように具体的な成果を職務経歴書に盛り込むことで、即戦力になれることをアピールできます。 
 

2-5 問題解決力とリスク管理能力

 
治験コーディネーターは、予期せぬ問題に迅速に対応する力も求められます。治験の現場ではスケジュールの遅延や見通しの不安など、さまざまな問題が発生します。 「スケジュールが遅れた時に迅速に調整し、計画通りに治験試験を完了した」という具体例をアピールすると問題解決力を効果的に伝えられます。 
 
さらに、治験にはリスクがつきものです。そのため、リスクを事前に予測し、安全を守る対応力も重要です。例えば「治験中のリスクを事前に把握し、フォローアップ体制を整えた」という経験があれば、リスク管理への高い意識と実績を示せます。 
 

2-6 マルチタスク能力と柔軟性 

 
治験コーディネーターは、同時に複数の業務を進める必要があるため、マルチタスク能力と柔軟性が必要です。例えば「複数の治験プロジェクトを同時に管理し、全てのタスクを期限内に完了させた」という経験を具体的に記載すると、業務遂行能力をアピールできます。 
 
さらに、予期せぬスケジュール変更や問題が発生した際、柔軟に対応できる力が求められます。 「医療スタッフと連携して治験を計画通り進められた」という経験を示すと柔軟性を強く伝えられるでしょう。 

 

3 治験コーディネーターの職務経歴書サンプル

 
 
 
治験コーディネーターの職務経歴書は、応募先の企業に自分の実務経験やスキルを具体的に伝えるための重要な書類です。ここでは、治験コーディネーターの職務経歴書サンプルと、その作成ポイントを詳しく解説します。 


3-1 経験をコンパクトにまとめる 

 
職務概要は、これまで行ってきた治験コーディネーター業務のポイントを1〜2行程度でまとめる項目です。採用担当者が最初に目にする部分のため、ここで興味を惹くことを意識しましょう。 
 
サンプル例 
治験コーディネーターとして5年間の実務経験を持ち、被験者対応、スケジュール管理、リクルートメント成功率の向上に貢献。GCPトレーニングを終了しており、患者との信頼構築とプロジェクト調整力に強みがあります。 
 

3-2 具体的な業務内容と実績を記載する 


過去にどのような治験業務を行ったのかを具体的に記載します。担当したプロジェクトの規模、治験の段階なども含めて書くと効果的です。治験試験での具体的な成果を数値や具体例で示すと、即戦力として評価されやすくなります。 
 
サンプル例 
株式会社〇〇メディカル 治験コーディネーター 
2018年4月 ~ 現在 
 
主な担当プロジェクト: 
1. 抗がん剤治験(フェーズ3) 
・ 被験者リクルート:説明会開催により参加希望者を50人集め、リクルート成功率を30%向上。 
 ・ インフォームド・コンセント取得:被験者が安心して治験に参加できるよう、詳細な説明を実施。 
・ プロジェクト管理:進行スケジュールの管理、データの正確な入力と報告を徹底し、スムーズに治験を完了。 
 
2. 糖尿病治療薬治験(フェーズ2) 
・ 被験者対応:インフォームド・コンセントの取得から治験終了後のフォローアップまで一貫して担当。 
・ チーム連携:医師やモニターと密に連携し、治験の安全性を確保。計画遅延を最小限に抑え、予定通りの進行を実現。 
・ 成果:患者ケアの向上により、被験者の離脱率を10%以下に抑制。
 

3-3 スキルや資格・門性とスキルセットを明示する 


治験コーディネーターには、GCPの知識や医療資格なども求められます。応募企業の業務に関連する資格や、治験に必要なスキルがあれば記載しましょう。看護師や薬剤師などの資格を持っている場合も記載して下さい。 
 
サンプル例 
・看護師免許(取得:2016年) 
・GCPトレーニング修了(2018年) 
・治験管理システム(EDC)操作スキル 
・データ管理およびデータクリーニングスキル 
・基本的なMicrosoft Officeスキル(Word、Excel、PowerPoint) 
 

3-4 強みや治験業務での対応力をアピールする

 
自己PRでは、治験コーディネーターとしての強みや人柄をアピールします。 具体的には、患者対応力、チーム調整力、問題解決力、リスク管理能力、データ管理能力などが挙げられます。治験業務で特に求められるスキルを実際にどのように役立て、成果に繋がったのかをエピソードとして記載すると説得力が増します。 
 
サンプル例 
私は治験コーディネーターとして、被験者の安心感を第一に考え、コミュニケーション力を活かしてインフォームド・コンセントを取得してきました。被験者の不安を解消し、治験に積極的に参加頂くために、理解しやすい説明を心がけ、疑問点が残らないよう対応しています。また、医師やモニターとの連携を密にし、チームとして治験の進行をスムーズにすることにも努めました。 
 
さらに、治験プロジェクトでリスク管理を徹底し、患者ケアを最優先に考えた対応を行うことで、安全かつ効率的な治験進行に貢献してきました。治験の進行状況に合わせて迅速な判断と調整ができる柔軟性を活かし、予定通りの治験完了に貢献しました。このような経験から、貴社においても即戦力として貢献できると確信しております。 
 
 
 
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4 治験コーディネーターの転職活動で成功するためのポイントと注意点

 
 
 
治験コーディネーターとして転職活動を成功させるためには、職務経歴書の準備だけでなく、応募企業ごとのアピールポイントや面接での対応など、さまざまな点に配慮する必要があります。以下に、転職活動を成功させるための重要なポイントと注意点について詳しく解説します。 
 

4-1 企業に合わせて職務経歴書をカスタマイズする 


転職活動を成功させるには、職務経歴書を応募企業に合わせてカスタマイズすることが非常に重要です。治験コーディネーターの業務は企業やプロジェクトによって異なるため、応募先が求めるスキルや経験に焦点を当てて職務経歴書を作成しましょう。 
 
例えば、応募先企業が患者対応を重視している場合、インフォームド・コンセントに関する具体的な経験を強調します。「治験継続率が20%向上し、最終的に治験が計画通り完了した」といったエピソードを記載すると、成果が明確に伝わるでしょう。 
 
また、データ管理や規制遵守を重視する企業では「GCPを厳守し、治験管理システムを活用してデータ入力の正確性を向上させ、監査でのデータエラー率を5%未満に抑えた」といった内容をアピールすると良いでしょう。 
 

4-2 長期的な成長を見据えて応募する 


治験コーディネーターとしての転職では、応募先企業の治験プロジェクトや業務内容が自分のスキル向上やキャリア成長にどう繋がるかを考えることが重要です。 長期的な視点で自分の成長を意識することが、より良いキャリア形成の指針となります。 
例えば、新しい治療分野の治験に携われる企業や、研修や教育体制が充実している企業であれば、専門知識や実践的なスキルを高める機会を得られるでしょう。成長の可能性を見越して企業を選ぶことで、転職後のキャリアをより充実させられます。 
 
 

4-3 企業への疑問点は面接で解決しておく 


 
転職活動において、面接は自分をアピールする場であると共に、応募先企業や職場環境を見極める重要な機会でもあります。応募する企業の治験プロジェクトや業務内容について、積極的に質問し、自分が満足できる職場かどうかを確認することが大切です。 
 
例えば、担当する治験の規模や日常的な業務内容、チーム構成などについて質問すると、自分のスキルやキャリア目標と一致するかどうか判断しやすくなるでしょう。 
 

5 職務経歴書で経験や成果・スキルを伝えて転職活動を成功させよう 

 
 
 
治験コーディネーターとして転職活動を成功させるには、職務経歴書で自身の経験、成果、スキルをしっかりと伝えることが重要です。職務経歴書は、これまでの実績や専門性を具体的に示す書類であり、企業に対して即戦力であることをアピールする絶好の機会です。職務経歴書でこれまでの実績やスキルを効果的に伝え、理想のキャリアを実現しましょう。 
 
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