履歴書「本人希望欄」の書き方完全ガイド!
転職時の適切な記入例と注意点を解説

 

 

履歴書の本人希望欄は、求職者が希望する職種や勤務時間などを記入する項目です。希望する給与やエリア、勤務時間などがある場合、正直に記入しても良いのか、一方で希望がない場合は空欄のままで良いのかと悩むケースもあるでしょう。​ 

​​本記事では、履歴書の本人希望欄の役割や注意点、記入する内容などについて解説します。転職時に活用できる本人希望欄の記入例についても紹介するので履歴書を書く際の参考にしてみて下さい。​ 

目次

 

​​1 履歴書の本人希望欄には「貴社の規定に従います」と記入する?​ 

 
 
​​勤務に関する希望がない場合、履歴書の本人希望欄には「特になし」と記入せず、 「貴社の規定に従います」 と記入するのが基本です。まずは、履歴書の本人希望欄の役割や、多くの転職者がこのフレーズを使う理由について解説します。​ 
 
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1-1 本人希望欄の役割​ 


​​履歴書の本人希望欄は、求職者が勤務に関して希望する条件を伝えるためのスペースです。勤務に関する希望がある場合、企業側に条件を伝える役割があります。企業の採用担当者側は、応募者の本人希望欄を確認することで、求職者の希望に添えるかどうかを把握します。​ 
 
​​したがって、本人希望欄に記入された内容は「必ず必要な条件」として捉えられやすいでしょう。「記入した条件に添えない場合は働けない」と解釈された場合、選考から外されてしまうかもしれません。本人希望欄には「絶対に妥協できない条件」だけを記入して下さい。​ 
 

​​1-2 多くの転職者がこのフレーズを使う理由​ 


 
​​特に条件がない場合は本人希望欄に「貴社の規定に従います」という表現を使うことで、柔軟に働けることを採用担当者にアピールできます。多くの転職者がこのフレーズを使う理由は、自分の要望を強く主張せず、企業側の条件に合わせられるスタンスを示すことで、スムーズなコミュニケーションが期待できるからです。​ 
 
​​また、希望欄に記入することがない場合でも「特になし」と記入するのはおすすめしません。「貴社の規定に従います」と丁寧に記入しておくことで、採用担当者に誠意を伝えられます。​ 

 
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2 履歴書の本人希望欄を記入する際の注意点​

 

​​履歴書の本人希望欄を記入する際に注意しておきたいポイントについて解説します。​ 


​​2-1 空欄は避ける​ 


 
​​本人希望欄に記入したい条件がない場合でも「特になし」と書くのはおすすめできないということを前述しました。一方、空欄のままにしても良いのでしょうか。結論から言うと、本人希望欄に限らず、履歴書にある項目を空欄にするのは避けた方が良いといえます。​ 
 
​​履歴書の項目を空欄にしない方が良い理由は、空欄があることで「記入するのを忘れている」「未完成のまま提出している」と捉えられやすいからです。履歴書をきちんと記入していないことで「やる気が感じられない」と思われ、選考から外されるかもしれません。履歴書の項目は空欄にせず、すべて記入することが大切です。​ 
 
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2-2 記入する場合は過度な主張を避ける​ 


​​履歴書の本人希望欄に希望を記入する場合、過度な主張は避けましょう。履歴書は採用担当者が応募者を知るための最初のきっかけです。これから選考するというタイミングで、希望や条件を主張しすぎると、採用担当者に自分勝手な印象を与えてしまうかもしれません。​ 
 
​​また、記入した条件と企業の条件がマッチしない場合、選考から外れて次のステップへのきっかけを失ってしまう恐れもあります。本人希望欄の内容は選考結果に影響する可能性が高いです。業務に大きく影響しない程度の希望であれば、誤解を避けるためにも履歴書には記入せず、面接の際に伝えるのも一つの方法です。​ 
 
 
 
 

​​3 履歴書の本人希望欄に記入できる内容​ 

 
 
歴書の本人希望欄に記入できる内容は以下です。​ 
 
​​勤務地の希望​ 
​​希望が選べる場合の職種​ 
​​配慮が必要な健康面の事情​ 
 
​​それぞれの内容やポイントを解説します。​ 
 

3-1 ​​勤務地・勤務時間の希望​ 


​​採用後に転勤の可能性があるものの、事情によって勤務できる地域が限られる場合は、本人希望欄に記入しておくと良いでしょう。転居予定や家族の介護などやむを得ない事情によってリモートや短時間を希望する場合も勤務希望時間を記入します。​ 
 
​​勤務地・勤務時間を記入するポイントは、希望する具体的な理由と、希望する勤務地や勤務時間をはっきりと記入することです。ただし、一方的な印象にならないような書き方を意識する必要があります。​ 
 
​​なお、勤務地を伝える場合は、できるだけ広いエリアを記入し、融通がきくことを伝えると良いでしょう。​ 
 

3-​2 希望が選べる場合の職種​ 


​​求人の募集要項で企業が複数の職種を募集している場合、希望する職種があれば本人希望欄に記入しましょう。希望する職種を記入する際は、その理由も一緒に記しておくことがポイントです。理由を記入することで、やる気や熱意が伝わりやすくなります。​ 
 
​​また​​、希望する職種は募集要項に記入されている名称に合わせて下さい。例えば、募集要項に「営業職」と記入されているのに「セールス」と記入したり、「システムエンジニア」と記入されているのに「SE」と記入したりなど、自分でアレンジした名称で記入してしまわないように注意しましょう。企業が募集している職種の表記に合わせなければ、採用担当者に希望職種を正確に伝えられません。​ 
 

3-3 ​​配慮が必要な健康面の事情​ 


​​採用後に業務を行っていく上で健康面の事情によって、遅刻や早退、短時間勤務や休暇の取得など、特別な配慮が必要なケースもあるかもしれません。通院や持病のために健康面の配慮が必要な場合も本人希望欄に記入できます。​ 
 
​​ただし、健康面の事情は個人情報にあたるため、応募者本人が企業への開示を希望しない場合は履歴書に記入しなくても問題ありません。企業側としては配慮が必要な場合、知っておきたい情報といえるものの、採用に影響するリスクに不安を感じるなら必ずしも履歴書に記入しなくても良いでしょ​​う​​。例えば、今は完治しているものの、病気が原因で前職を退職したということを職務経歴書などで示している場合、今後の業務には支障がないということも記入しておきましょう。​ 
 

 
​​履歴書の本人希望欄に書ける内容について、ここではそれぞれの記入例を紹介します。状況に合わせて本人希望欄を記入する際の参考にして下さい。​ 
 

​​4-1 勤務地・勤務時間の希望がある場合​ 


​​勤務地​​や勤務時間に希望がある場合「自宅から近いので○○での勤務を希望します」といった自己都合となるような記入は避けましょう。記入例を紹介します。​ 
 
​​【勤務地の希望】​ 
​​○○により○○エリアでの勤務を希望いたしますが、柔軟に対応できます。​ 
​​同居する母の介護を行っているため、勤務地は首都圏を希望いたします。​ 
​​子どもが5歳になるまでの2年間は首都圏での勤務を希望します。​ 
 
​​【勤務時間の希望】​ 
​​子どもを保育園に迎えにいくため、〇時間に退社させていただきたいです。​ 
​​家庭の事情により、できればフレックスタイム制度の活用を希望していますが、通常勤務にも柔軟に対応いたします。​ 
 
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4-2 希望の職種が選べる場合​ 


​​希望の職種が選べる場合は、待遇に関する希望は記入せず、応募先企業に従う方向で記載しましょう。キャリアアップを目指している場合はその旨も記入すると好印象です。例文を紹介します。​ 
 
​​希望職種はWebディレクターです。これまでデザイン職に携わってきましたが、今後はディレクターとしてキャリアを積んでいきたいと考えています。​ 
​​事務職を希望します。勤務地や待遇面は貴社の規定に従います。​ 
 

​​4-3 健康面での配慮が必要な場合​ 


​​通院が必要な場合は具体的な期間や日数を記載しておくと安心​​です​​。 ​​健康面​​での配慮が必要な場合は以下のように記入しましょう。​ 
 
​​今後の業務に支障はありませんが、持病の通院のため2カ月に一度の休暇を希望します。​ 
​​業務に支障はありませんが持病があり、定期検診のため3カ月に一度の有給休暇をいただけると幸いです。​ 
 
 

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5 履歴書の本人希望欄に記入しない方が良い内容​ 


 
​​書類選考に通過して次のステップに進むにあたり、履歴書の本人希望欄に書くことでネガティブな印象を与えてしまう内容もあります。例えば以下のような内容です。​ 
 
​​給与・年収に関する過度な要求​ 
​​希望以外の内容​ 
 
​​それぞれの理由を詳しく解説します。​ 
 
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5-1 給与・年収に関する過度な要求​ 


​​履歴書の本人希望欄に、給与や年収に関する過度な要求や希望を記入しないようにしましょう。書類選考のタイミングで確認される履歴書に希望する給与・年収などの待遇面を記入してしまうと、書き方によっては一方的な印象を与えてしまうかもしれません。​ 
 
​​前述したように、履歴書はやむを得ない事情によって希望しなければならない内容だけを記入することが大切です。面接や内定後に採用担当者と交渉する場面があるため、給与や年収に関する希望はその際に相談します。企業側から「希望する待遇面に関して履歴書に記入してほしい」といった指定がない場合は、履歴書で待遇面に関する内容には触れないようにしましょう。​ 
 

​​5-2 希望以外の内容​ 


​​本人希望欄に何を書いたら良いか分からない、フリースペースになっているなどの理由で志望動機や自己PRなどを本人希望欄に記入してしまうケースも考えられます。​ 
 
​​ただし、本人希望欄に「希望する条件・内容」以外のことを記入するのは避けて下さい。正しい内容を指定の欄に記入していなければ「履歴書の書き方を理解できてい​​ない​​」「求められていることに対応できない人」と判断されてしまう恐れがあります。履歴書の書き方は必ず理解し、自己PRや志望動機は指定の欄に記入しましょう。履歴書に記入できないものの、伝えておきたい内容は職務経歴書に記入するのも一つの方法です。​ 
 
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6 履歴書の本人希望欄を通じてポジティブな印象を与えるコツ​ 
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​​履歴書の本人希望欄に内容を記入する場合は、採用担当者にポジティブな印象を与えることが大切です。具体的で前向きな言葉で自分の希望や企業に貢献する姿勢を示しましょう。ここでは、履歴書の本人希望欄に条件を記入する場合のコツについて解説します。​ 
 

6-1​ ​​柔軟性をアピールする書き方をする​ 


​​履歴書の本人希望欄に記入した内容で柔軟性をアピールするには、条件を具体的に示した上で「可能な範囲で対応可能」という内容も記入すると良いでしょう。勤務に関する希望はあるものの、前向きな姿勢を伝えられるからです。 ​ 
 
​​「柔軟に対応いたします」「勤務地に希望はありますが、勤務時間については柔軟に対応可能です」などを記入することで、採用担当者に対してポジティブな印象を与えられるでしょう。​ 
 

​​6-2 簡潔に記入する​ 


​​前述したように、本人希望欄は就業に関して絶対的な条件を示す欄であり、自身をアピールする部分ではありません。事実だけを簡潔に記入しましょう。​ 
 
​​例えば、応募者側の希望を記入することに引け目を感じて前置きを付けたり、へりくだった言い回しを記入したりすると長文になってしまい、内容が伝わりにくくなります。履歴書の本人希望欄には罫線がありません。​​文章の​​量は多くても8割程度のスペースで記入しましょう。記入する内容が多い場合は、箇条書きを用いて見やすくなるように記入して下さい。​ 
 
​​本人希望欄が長文で記入されているからといって、ポジティブな印象にはなりません。あくまで簡潔に記入することが大切です。
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​​6-3 連絡可能な時間帯を記入する​ 


​​現職を続けながら転職活動をしている場合、本人希望欄には連絡可能な時間や連絡手段を記入しておきましょう。業務中に連絡が来ても対応できない可能性があるからです。採用担当者が応募者に連絡を取りたい場合、連絡が取れずに何度も手間をかけさせてしまうことを避けられます。​ 
 
​​また、連絡可能な時間帯を記入する際は、〇時以降や〇曜日などある程度の幅を持たせて記入することがポイントです。〇日や〇時など細かく指定すると連絡しにくい可能性があります。できるだけ応募席企業の営業時間内で調整するといった配慮も必要です。​ 
 
​​【記入例】​ 
​​現在、在職中のため平日は18時以降にご連絡いただけましたら幸いです。メールは随時確認しております。​ 
​​平日18時以降は連絡が可能です。留守番電話やメールアドレスへご連絡いただけましたら、確認次第折り返しご連絡させていただきます。​ 
 
​​面接希望日がある場合は、併せて記入しておくと良いでしょう。​ 
 
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7 履歴書の本人希望記入欄に関するQ&A​ 


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​​履歴書の本人希望の記入欄に関してよくある質問と回答を紹介します。​​記事の​​中で​​紹介した内容も一部含まれますが、重要なポイントなので確認しておきましょう。​ 

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7-1 Q.本人希望欄は空欄のままでも良いですか?​ 


​​A.希望する内容がない場合でも、本人希望欄を空欄のままにするのは避けましょう。記入漏れや未完成のまま履歴書を提出していると捉えられやすいからです。また「特になし」と記入するのではなく「貴社の規定に従います」と記入すると好印象です。注意点として「貴社」を「御社」と書かないようにして下さい。​ 

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7-2 Q.希望が多い場合の書き方はどのようにすれば良いですか?​ 


​​A.「どうしても配慮が必要」な内容のみを簡潔に本人希望欄に記入しましょう。やむを得ない事情によって希望が多い場合は、長文で記入するのではなく、箇条書きを用いて分かりやすく記入して下さい。​ 
 

​​7-3 Q.在職中を本人希望欄に記入した方が良いですか?​ 


​​A.在職中の転職活動は本人希望欄に記入しておくことでスムーズに進められます。ただし、日中の業務に従事していると応募先企業からの連絡に対応しにくいケースも多いです。対応可能な時間も本人希望欄に記します。併せて引継ぎの期間や入社可能日も記入しておくと良いでしょう。​
 
 
​​履歴書の本人希望欄は、応募者に自分の希望を伝えられるスペースです。ただし「必ず必要な条件」として応募先の企業側に捉えられる傾向があります。給与や待遇面の希望を記入するのではなく、どうしても妥協できない条件だけを記入しましょう。​ 
 
​​また、本人確認欄に記入する内容がない場合は、空欄にしたり「特になし」と記入したりするのではなく、「貴社の規定に従います」と記入すると好印象です。履歴書の本人希望欄に記入しても良い内容について分からない場合は、本記事の内容をぜひ参考にしてみて下さい。​ 
 
 
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