あなたの価値を発揮するための11のポイント
コロナ禍により、私たちの生活は公私にわたり変化を迫られ、その先行きも不透明なものになりました。現在正社員や契約社員として働いている皆さんの中にも、自分の能力を証明したい、自分の仕事が会社に必要な存在であることを分かって欲しい、と感じている人は少なくないのではないでしょうか。昨今は非常にプレッシャーを感じやすい時期です。このため、将来への不安も必然的に高まります。しかし、この状況を適切にマネジメントすることが出来なければ、プレッシャーに押しつぶされ、過重労働に陥った結果、「燃え尽き症候群」(バーンアウト)に苦しむ可能性もあります。
さて、ここで重要な問題があります。現在の会社や仕事の中で、自分自身の価値をどのように証明すれば良いのでしょうか。もちろん、バーンアウトしてしまうようなやり方は論外です。
コロナ禍とポストコロナの時代に自分の価値を証明する11の方法
1. コロナ禍の影響であなたの会社はどのように変化しましたか?まずはこれを理解し、どのように貢献出来るかを考えてみましょう 会社の戦略目標や、あなたの現在の仕事は、これからどのように変化していく可能性があるのでしょうか。そして、これが大切なポイントなのですが、あなた自身はその変化に対し、どのように備えて行くことが出来るのでしょうか。これらを直属のマネージャーなど上職者に積極的に質問してみましょう。もし、彼らにも答えが分からなかったら、ポストコロナ時代に適した仕事をしていくために、「自分の仕事を調整していきたい」と、上司に提案しても良いかもしれません。また、さらにお勧めしたいのは、会社が将来社員の価値をどのように評価していく方針なのかを理解しておくことです。ポストコロナ時代には、避けて通ることが出来ない課題やチャンスに巡り合います。攻めの姿勢を崩さずに、工夫したアプローチでコミュニケーションすることで、あなたはこうした変化への適応力が高く、成長に向けた心構えが出来ていると上司にアピールすることが出来るでしょう。また、積極的に動くことで、自分自身をコントロールしているという感覚(自己コントロール感)を取り戻すことも出来るかもしれません。
2. 学び、プロフェッショナルとして地歩を固める意思を示しましょう 現在・未来に対する会社の方向性を理解したら、次は自分にしかない強みやスキル、能力を使ってどのように会社に貢献できるのかを考えてみましょう。この強みやスキル、能力は、継続して学び続けることでさらに強化され、仲間から頼りにされるエキスパートに成長することも出来るかもしれません。そのためにどのような取り組みが必要なのかも検討してみて下さい。皆さんの会社は、今後何らかの課題に直面し、これを解決する必要に迫られるかもしれません。こんな時に中心的な役割を担って会社を支援するためには、どのようなスキルや知識が必要になるのかも理解しておきましょう。現在持っている知識や新しい知識を仲間と共有し、自分の学びにも力を入れ、知識を広げていきましょう。また、チームの仲間がスキルアップに励むときは支援してあげましょう。自分が学習したことは忘れずに皆に伝え、上司に報告し、履歴書やLinkedInのプロフィールを更新するなど、文書にも記録しておきましょう。
3. リモート勤務はマナーを守って オフィス出勤から在宅勤務にシフトして働いている方も少なくないでしょう。しかし、だからといって仕事のマナーを軽視してはいけません。リモートで働いているときでも、メールやZoomなどのツールによるコミュニケーション、オンライン会議などでは確りとマナーを守りましょう。社内外の関係者と、発展的で良好な関係を築いて支援し合っていくことが出来ます。また、重要な仕事やプロジェクトをフォローしていくためにも、自分で出来ることは何でもやりましょう。リモート勤務で仕事に集中しにくい時は、何が集中を妨げているのかに注意しておけば、新しい方法も見つかり、集中力と生産性を維持することが出来るようになるでしょう。
4. リモート勤務中でも自分を適切にアピールしましょう ハイブリッド型勤務が浸透し、新しい働き方が求められる中、職場でどのように存在感を高めるべきかに悩むこともあるかもしれません。オフィスに顔を出す機会も減り、以前ほど対面によるコミュニケーションすることも出来なくなると、これまでの方法では、人間関係を築くことも出来なくなります。このため、上司やチームの仲間と定期的・日常的にコミュニケーションすることが特に大切になります。特に自分が参加しているプロジェクトなどでは、重要なステークホルダーから意見を聴取するように心がけましょう。また、プロジェクトが目標を達成した時などは、とりわけコミュニケーションを大切にしなければなりません。上司に対しては、多少売り込みのようになっても構いませんので、あなたの功績や成果をアピールしていきましょう。自分が完遂した仕事や、その効果について簡単なレポートをまとめ、毎週上司に報告するのもお勧めです。 ただし、具体的な仕事の成果など、証拠となる成果物を提出することも忘れずに。定期的にキャッチアップミーティングを開いても良いと思います。定期的に近況を伝えておけば、次回の人事評価にも役立ちます。ここ数ヶ月間の多忙な日々で達成したことを忘れないようにしましょう。
5. キャリアに影響する人とのつながりを築き、強化しましょう 過去にあなたのキャリアアップに力を貸してくれた人、これからあなたに協力してくれそうな人はいませんか。こうした人たちを見つけて、メンターになってくれるよう依頼してみましょう。また、会社が将来どのように変化するか、その変化に適応するために何が求められているのかなどについて意見を求めても良いでしょう。あなたも出来る限り彼らの力になり、彼らの仕事を高く評価し、助けてもらったときには、きちんと感謝の気持ちを伝えて下さい。ネットワークは積極的に広げましょう。新入社員に気付いたら自分から挨拶し、力になると伝えて下さい。彼らはそのように対応してくれたあなたのことを、ずっと覚えているでしょう。
6. 新しい評価方法を理解しておきましょう コロナ禍により、多くの企業で働き方と働く場所が変化しました。これまでのパフォーマンス評価基準や目標は見直され、大幅に変更される可能性があります。これを早めに察知し、最新の評価方法や目標に沿った行動を取ることが重要です。必要があれば、特定の分野に集中的に取り組みましょう。評価の基準を知っておけば、自分の仕事の良否や優れた仕事をする力の有無、改善が必要な分野を判断することが出来るようになります。コロナ禍前の評価方法を引き続き使用するのか、それとも今後変更される予定なのかを確認するのも良いと思います。
7. ソロプレーは控えましょう ハイブリッド型勤務では、オフィス勤務の同僚、在宅勤務の同僚双方と一緒に働くことになります。こうした状況で、決して忘れてはならないのは、あなたは飽くまでチームの一員である、ということです。チームは共通の目標を持ち、達成に向けて協力しあっています。あなたも、そうしたチームの大切な一員なのです。これを忘れずに、チーム全体の最終目標を常に心の中に置いて下さい。チームの成功は、たった一人の貢献で成し遂げられるものではありません。チームのメンバーそれぞれが、「私」ではなく、「私たち」を中心に考る習慣を身に着ける必要があるのです。同じ目標を共有し、これに基づいて意欲的に行動できるチームの育成が大切です。こうしたチーム重視の姿勢は、あなた自身の目標達成においても遥かに大きく貢献するはずです。それは、自分一人が「スーパースター」になろうとする考えよりも、遥かに大きな効果をもたらします。
8. 必要な時には「No」と言えるように 依頼された仕事をすべて引き受けたからといって、あなたの価値が高まるわけではありません。キャリアアップすれば、あなたへの注目は高まり、仕事の依頼も自然に増えてきます。しかし、自分一人であらゆる仕事を引き受けることは出来ませんし、すべての人々を満足させることも出来ません。キャリアと実績を戦略的に積み重ねていくためには、これを理解することが大切です。必要であれば「No」と断ることが出来れば、職場でも一目置かれ、あなたの価値は高まります。ただし、断るべき仕事は確りと選び、依頼を断るときは、適切な方法で「No」と言いましょう。結局のところ、許容範囲以上の仕事を抱え込むと、プレッシャーもフラストレーションも高まり、長期的には成功のチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。断り方やそのタイミングについては、英国投資庁でチーフ・オペレーティング・オフィサーを務めるスージー・ティムリン氏のブログ、「Do you know when and how to say no?」をご参考に。
9. 前向きに、そして楽観的に 困難な時期でも、明るく楽観的に振舞っていれば、やがて成功への道筋が見えてきます。あなたのポジティブな姿勢はチーム内を明るくします。やがてその前向きな雰囲気は、会社全体に伝わり、会社は成功にたどり着くことが出来ます。このように考えると、使用する言葉に配慮することも大切です。あなたが使っている言葉は、ポジティブですか?ネガティブですか?仲間の成功を祝ったり、サポートしているときなどは特に、共感や思いやりを持って接するようにしましょう。常に笑顔を心掛け、同僚のうわさ話などは避けて下さい。時にはチームや会社の目標を思い出したり、チームや会社が何のために存在するのかを考えてみることもお勧めです。こうすることで、あなた自身やあなたの仕事が周囲に貢献していることを理解し、自分の仕事に意味があることを実感することが出来るでしょう。こうした実感が、自分をさらに前向きにするのです。一日の中で達成可能な目標を設定することもお勧めです。その仕事が完了した時には達成感を感じ、自分自身を褒めてあげることが出来ます。
10. 会社の「アンバサダー」になりましょう 社員が同じオフィスで一緒に仕事をしているときは、会社内で独特の文化や「個性」を培うことはそれほど難しい事ではありません。しかし、企業の多くがハイブリッド型勤務への移行を進めている昨今では、「仲間意識」の感覚が育みにくくなっています。この意識は、同じ場所で時間を過ごすことによって生まれるものだからです。この状況を乗り切るためにも、私たちはそれぞれ自分の役割を果たし、会社が大切にしているミッションを社内外で実践し、チーム内でお互いに協力し合う習慣を培い、お互いに配慮し合うようにしていくことが大切です。自分が経験した前向きな話題をビジネス用のSNSなどで皆と共有し、周囲にあなた自身のブランドメッセージを積極的に伝えて行きましょう。
11. ウェルビーイングに気をつけてバランスの良い生活を 仕事が長時間に渡り、メンタルやウェルビーイングを気遣う余裕がなくなると、仕事でも十分に活躍したり、効果的に貢献したりすることが出来なくなります。疲労が蓄積すると、ベストを尽くすことが出来なくなるからです。健康には十分気をつけて、ほどよくバランスの取れた生活を送りましょう。
「work smart, not hard (がむしゃらに働くよりも、賢く働け)」という言葉をご存じでしょうか?会社に対し自分の価値をはっきりと示すことが出来る人は、ストレスやバーンアウトを回避することも上手です。実は、会社への貢献力とストレスを回避する力は、密接に関連し合っているのです。
今回ご紹介したポイントを参考にしていただければ、コロナ禍終息後の数ヶ月、数年の間、あなたはプロフェッショナルとして、あなただけが持つ価値を発揮して活躍していくことが出来るでしょう。