転職の不安を克服するためにーまずは応募してみよう

 

ふと目にした求人広告に惹かれたことはありませんか?読むと胸騒ぎがして、「私は今の仕事に満足しているだろうか」と考え込んでしまうような求人です。応募条件を読めば読むほど、自分に当てはまる条件が次々と見つかります。あなたは、その広告を保存し履歴書も更新しました。しかし、あなたは最後の最後でどうしても応募に踏み切ることが出来ません。これは一体何故なのでしょうか。

転職を思いついた時に怯んでしまうのは誰でも同じです。これまで考えたこともなかった新しい仕事へのチャレンジであればなおさらでしょう。あなたは現状に不満もなく、転職について心の準備が出来ていない状況にあるのかもしれません。こんな時にあなたが次のステップに飛躍することを妨げているのは、未知の仕事に対する不安や自信の欠如、「もし失敗したら」という不安感であると思われます。

不安を完全に払拭することは出来ないかもしれません。それでも新しい仕事に挑戦していくためには、一体どうしたらよいのでしょうか?

不安その1 マッチしないスキルや経験がある

「今のままでチャレンジするには不十分だ」と思っていませんか?それは何故でしょうか?応募条件を100%満たしていないからですか?では、あなたが望んでいるのは、目を瞑っていても出来るような簡単な仕事なのでしょうか?それとも、新しい事に挑戦し、スキルアップに繋がる仕事でしょうか?キャリアのゴールまで自分を引っ張っていってくれるのは、挑戦やスキルアップに繋がる仕事です。

もちろん、スキルの中には新しい仕事にどうしても欠かせないものもあります。しかし、そのスキルが「必須条件」ではなく、「歓迎要件(あると望ましいスキル)」である場合には、採用担当者が柔軟に考慮してくれることも多々あります。また、ソフトスキルでカバーすることも出来るかもしれません。あなたが好奇心旺盛、勤勉で呑み込みが早いタイプであれば、「吸収力が速い」などの強みを履歴書でアピールすることをお勧めします。この場合は、過去の体験例を加えれば説得力も上がります。例えば、仕事を始めた時ソーシャルメディアのスケジューリングプラットフォームは初心者であったが、ウェビナーに参加してスキルアップし、今ではプロフェッショナルとしてこの機能を使いこなせる、などの成功例があれば望ましいでしょう。

不安その2 業界未経験者である

不安の根源は、自分が業界未経験者であるということでしょうか?求人広告に散りばめられた業界用語に引け目を感じたのかもしれません。

しかし誰にでも業界未経験者だった時代があるはずです。著名な業界のエキスパートと言えども、当初のスタート地点は今のあなたと同じです。また、私見ではありますが、新しい業界への転職は、あなたのキャリアを大きく前進させてくれます。時には勇気を持って異業界へチャレンジしてみましょう。自分の専門性や順応性を高めるためにこれ以上の方法はありません。また、本当に情熱を持って取り組めることを見極めるためにも、新しい業界に飛び込むことは最適の方法と言えるのではないでしょうか。

その業界で一定の地位を築きながらもビジネスの知見を高めようとしている企業は、しばしば異業界の人材が持ち込んでくれる新鮮な視点を求めています。ですから、履歴書の志望動機の欄を使ってその業界についてもっと学びたいと願っていることや、理由をアピールしてみましょう。

不安その3 他の応募者の方が自分より優れているのではないか

LinkedInやジョブボードでは、その求人への応募人数が表示される場合があります。多数の応募人数を目にすると、自分ではとても競争に勝ち目がない、と不安になるかもしれません。しかし、それは他の候補者も同じです。

あなたは、「私よりも他の候補者の方が遥かに優れているのだから、私が採用されるはずがない」と思い込んでいるかもしれません。しかし、こんな風に最悪の事態を想定出来るのならば、最高の結末も想像してみませんか。応募者が何百人いたとしても、応募内容の質はそれほどではないのかもしれません。この場合、あなたの履歴書が候補者として上位に食い込んでいる可能性だってあるのです。

自信を持って応募するためには、自分自身のポジティブなイメージを確立し、これを反映した行動をとることが大切です。引け目を拭い切れないときは、自分を励ます言葉をかけてみましょう。これまであなたが築いてきた実績をすべて思い出してみるのです。そして、自分がその仕事に最適な候補者であると思う理由をすべて書き出してみましょう。また、応募条件を見直して、応募先の企業が理想の候補者の記載に使用したキーワード を出来る限り履歴書の中で使用して下さい。これらを実践する応募者は、意外と多くはありません。つまり、キーワードをフル活用してあなたが適格な候補者であることをアピールすれば、他の履歴書に差をつけることが出来るかもしれないのです。

不安4 変化が怖い

この求人広告を目にしたのが偶然に過ぎず、現在の職場に居心地の良さを感じているのであれば、転職の可能性を目前にしても戸惑うのは無理もありません。恐らく皆さんは、これまでのご経験で、転職でご自身の生活がどれだけ大きく変化するのかをご存じなのでしょう。新しい通勤方法や新しい同僚、慣れない仕事などに対処していくのは大変なことです。ですから、既に手に入れたもの、既知のものを手放さずにいることの方が、遥かに安全で賢明なことのように思えるのです。

しかし、安全を守ることが必ずしも賢明な選択であるとは限りません。キャリアアップを図りたければ、時には 自分を信じて思い切った決断をすることが大切なのです。そして、先のことを考え過ぎないことも重要です。転職の応募段階に差し掛かったばかりなのに、将来の不安に囚われすぎていると、委縮して身動きが取れなくなってしまいます。焦らずに、それでも勇気を持って転職活動を進めて行きましょう。

不安5 タイミングが悪いのではないか

タイミングが悪いと思うのは何故ですか?自分の不安に対して言い訳をしているだけなのではありませんか?今の職場で昇進や昇給が間近である、理想的なトレーニングを受けられるかもしれない、など転職を思い止まりたい理由があるのではないですか。しかし、こうした条件については、面接が最終段階に進んだ時に、新しい雇用主と交渉することだって可能です。

ひょっとして、今の会社があなたの力を必要としているため、現時点での退職は不義理な行為になる、後戻りが出来なくなると心配しているのでしょうか。もしかしたら、上司に任された重要なプロジェクトがまだ完了していない、チームが人手不足である、などの事情を気にされているのかもしれません。こんな時期の退職は、確かに後ろめたさを伴うものでしょう

しかし考えてみましょう。あなたの上司なら、自分に理想的な転職チャンスに巡り合ったとき、どのような行動をとりますか?その上司が自分のキャリア目標に向かって邁進するタイプであれば、迷わず転職に踏み切るでしょう。なぜなら、転職で失うものは何もないからです。また、退職届の提出期間が定められているのは、退職者から仕事を引継いだり、後任を探すことが出来るようにするためです。ですから、罪の意識に悩む必要はありません。あなた自身のキャリアアップです。わがままだと感じても、自分のニーズを大切にしましょう。

不安6  タイミングが良すぎるのでは?

私たちは常々、「話が出来すぎているときは、要注意」と考えています。この考え方は詐欺から身を守るためには有効ですが、転職時には無用の長物です。転職に踏み切ったところで、一生懸命稼いだお金を失うわけではありません。失うものと言えば、せいぜい応募書類の作成に使う1時間程度です。その程度でなら、普段テレビを見て過ごしてしまう時間ではないでしょうか。つまり、新しい仕事に応募することで失うものは何もないのです。

ふと目にした求人がずっと心に残っているのなら、恐らくそれはあなたにとって良いチャンスです。そして、そのチャンスを掴みに行くことが出来ないのは、あなたがそれを恐れているからです。その気持ちは十分に理解できます。しかし、時には勇気を出して変化に踏み出さなければ前に進むことは出来ません。そして、これからもそれは変わらないでしょう。「とにかく、やってみよう!-不安をたしかな『自信』に変える奇跡の方法」の著者、スーザン・ジェファーズ氏は、「The only way to get rid of the fear of doing something is to go out and do it.」(行動を起こすときに浮かんでくる不安を解消するためには、実際に一歩踏み出してやってみるしかない)と言っていますが、これは正に至言です。新しい一歩を踏み出す時は、不安がつきものです。しかし、今はその不安を乗り越えて、とりあえずその仕事に応募してみてはいかがでしょうか。

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トム・オズボーン

ヘイズ・マレーシア/マネージングディレクター

トム・オズボーンは、マレーシアにおけるヘイズのマネージング・ディレクターで、10年以上の人材紹介の経験を持っている。主にシニア・ファイナンス分野での採用を担当し、英国、シンガポール、マレーシアの大規模な採用チームを管理してきた。
イギリスのヘイズでは、イングランド東部の複数のオフィスでシニア・ファイナンス・チームを統括した。その後、アジアに拠点を移し、最初はシンガポールでマレーシアのヘイズを立ち上げ、発展させたシニア・マネジメント・チームの一員として活躍した。
現在、トムはヘイズのマレーシアのオペレーションと、会計士・金融、銀行・金融サービス、保険、ファイナンス・テクノロジー、人事、情報技術など10の専門分野をカバーするスペシャリスト・コンサルタントのチームを管理している。

 

 

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