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人材定着率を高める方法:有能人材の見極めと育成

人材定着率を高める方法:有能人材の見極めと育成

ケニー・ロジャーズの歌「ザ・ギャンブラー」に次のような一節があります。彼はこの中で、あるアドバイスを歌っています。
 
「いつまでカードを持つべきか、いつゲームから降りるべきかを知らなければならない。」
 
彼は人生をポーカーに例えて歌いましたが、この一節は従業員定着戦略にも通じるものがあります。
 
優秀な人材をいつまで自社につなぎとめるかを認識すると共に、自社のビジネスにふさわしくない人材をいつ手放すかを知らなければなりません。人材を引き留めることもチームメンバーから手放すことも共に難しいかもしれません。それでは、どの人材を自社で維持すべきかをどうやって判断しますか?
 

なぜ、従業員の定着率がとても重要なのか?

いかなる組織であれ、従業員定着率の向上は組織の健全性、成功、安定性を促進します。
 
新しい従業員を雇用し訓練する際に投入するリソースはかなりの量になる場合があります。従って、従業員の高い離職率は組織のビジネス目標にとって有害になり得ます。
 
長期的な成功を確実にするためには、組織は人材開発戦略と人材定着戦略を策定すべきです。これらの戦略の実行により、従業員のエンゲージメント(会社への愛着心や貢献意欲)と高いモチベーションが確実に維持されるでしょう。
 

従業員の長期的な可能性を重視する

自社にどの従業員をつなぎとめ、どの従業員を手放すかの判断は簡単ではありません。そのためには、従業員の包括的な業績データを把握し、従業員の可能性を正確かつ客観的に評価することが必要です。
 
極めて基本的なレベルでは、以下のステップを踏むべきです。
 
  • 現在の優秀な従業員が誰で、どんな資質が彼らを団結させているのかを見出す。
  • チームのより経歴の浅いメンバーの中で、それらの資質を特定する。
  • これらの有望で優秀な従業員に対して専門的能力開発の機会提供を促進し、彼らの能力開発に時間とリソースを投資する。

チーム間での昇進と能力開発を促進する

従業員の定着率向上に熱心な組織では、数多くの方向への従業員の流動性を促進することにより、従業員の離職による自然減を回避することができます。この戦略は、例えて言うなら、従業員が組織の壁の中で新たなチャンスを見つけやすいような措置を会社が取ることを条件とします。
 

能力の低い従業員を早期に特定する

人材開発プロセスを通じて、業績が低く、必要な可能性を欠いている従業員を見つけるかもしれません。これらの従業員は自社にとっての「資産」というよりもむしろ「負債」です。彼らをそっと自社から手放すことを検討しなければなりません。
 

優秀な人材を褒めることで、従業員の士気を高める

自社のビジネスにとって従業員がいかに貴重であるかを彼らに知らせることはリスクを伴う行動であると感じるかもしれません。褒めることにより、従業員やチームの優秀なメンバーが転職を求め、自分の価値を最大化する可能性があります。
 
それ故、このリスクを最小化するため、そのように褒めることを避けるマネージャーもいます。しかし、彼らの素晴らしい仕事を決して評価しないことで、不快な職場環境を作り出している可能性があります。
 

評価プログラムが従業員の定着率を向上させる可能性がある

従業員を自信過剰にすることなく彼らへの感謝を示す方法があります。彼らの努力に対する感謝を知らせることで、彼らの自社への忠誠心を高めることができます。
 
ナイト・フランクによれば、良い社風は会社の繁栄に不可欠です。忠誠心と士気を高めることにより、従業員の定着率を上げる可能性がずっと高まります。
 

不可欠な人材は存在しないことに留意する

成功しているビジネスでも離職率をゼロにキープすることはほとんど不可能です。また、それがビジネスにとって望ましくないことも確かです。斬新なアイデア、見方、競争力ある知性の組織への安定した流入がなければ、組織は自己満足して停滞する可能性が高いでしょう。
 

エンゲージメントのある従業員でさえ、いつかは転職する

平均して、従業員は約5年間、1つの会社に在籍します。従って、チームメンバーの何人かはしばらくすれば離職することを想定して準備すべきです。結局のところ、自主退職を悪く思わないでください。新たな挑戦課題を必要とするだけの従業員や、新たなキャリアの道を進む従業員もいるからです。
 
ある優秀な従業員が退職したら、全体の業績が低下してチームが崩壊するという事態に決して陥るべきではありません。優秀な従業員が一人抜けることで、全体のパフォーマンスが低下し、チームが崩壊してしまうような無防備な状態を放置してはなりません。しっかりとした後継者育成計画を立てておくことにより、優秀な従業員が退職したとしても、他の従業員は会社に対する十分なエンゲージメントを保つことができるでしょう。
 

本当の意味での従業員定着率とは何か?

「良い従業員定着率」は必ずしも「高い従業員定着率」を意味しません。ビジネス毎にケースバイケースで判断しなければなりません。良い従業員定着率とは、実際、トップの優秀な従業員が誰であるかを特定し、彼らのみを自社につなぎとめることに尽きます。
 
従業員定着率は単にフレキシブルな在宅勤務オプションや健康保険給付金の提供に基づくものではありません。新人研修プロセス以降も従業員を継続的にサポートし、評価しなければなりません。チームの業績から目を離さないようにすることで、誰をつなぎとめるべきか、いつ手放すべきかが分かります。
 

従業員定着戦略について理解を深める

優秀な従業員をつなぎとめるために、幾つかの措置があります。明日の優秀な従業員を維持することができる唯一の人材調達戦略は存在しませんので、素早く行動できることが必要です。迅速に行動する柔軟性の高いチームは、変化を見つけ、変化に適応し、変化に対応することができます。不測の事態のための計画を策定すれば、良く働く従業員から恩恵を受けることができます。
 
 
マーク・ブラジ
リージョナル・マネージング・ディレクター・ヘイズアジア
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アジアでビジネスをリードし、成長させてきた実績があり、幅広い業界と職種に関する専門知識を有している。
人材業界の前は、自動車業界にてさまざまな営業やマーケティングのマネジメントを務めていた。ビジネス改革とチェンジマネジメントの経験が豊富で、機能横断的なチームの構築、育成、指導に長けている。また、ニュージーランドリーダーシップ研究所の理事を務め、アッシュブリッジビジネススクールで戦略を学んでいた。

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