面接官が気にするのは「内容」と「答え方」ー 面接のハウツーテクニック

 

大切な面接に向けて準備は進んでいますか?みなさんは、面接の受け答えで一番大切なのは、「何を答えるか」だと考えているかもしれません。しかし…

見落とされがちですが、面接官が注目しているのは、みなさんが「何を」答えるかだけではありません。あなたが「どのように」その質問に答えるか、その姿勢を知りたがっているのです。

面接が近づいているのならば、次のことに注意しましょう。面接官は、質問に対するあなたの回答同様に、あなたの反応や質問に答える姿勢、そして面接官とどのように信頼関係を築こうとしているのかにも注目しているのです。

質問への答え方を改善する6つのステップ

面接の結果には、受け答えの内容だけではなく、答え方や振る舞いが大きく影響します。このブログでは、みなさんにそれをご理解いただくために大切なポイントをお伝えします。

1. 事前のリサーチと入念な準備を

当然のことと思われるかもしれませんが、準備をしたという充実感があればあるほど、面接官の目には、あなたが冷静で、落ち着いた候補者であると映ります。面接の準備には、次のようなコツがありますので、これを参考に準備を進めてみて下さい。

  • 応募先企業のウェブサイトと採用情報のページを確認しましょう
  • Googleなどで応募先企業を検索して最新の動向についてリサーチし、面接の回答に反映出来そうなものがないかを確認しましょう
  • ヘイズでは面接に役立つアドバイスを紹介しています。 こうしたサイトを参考に、面接で聞かれそうな質問を想定して準備を進めましょう
  • 面接で質問したい事項を考えておきましょう
  • 面接を担当する社員を確認し、その経歴などをリサーチしておきましょう。LinkedInなどが役立ちます
  • 履歴書や職務経歴書を見直して、あなたの業績の中で特に重要なものや、あなたのセールスポイントなどを整理しておきましょう
  • 仕事をしていない期間がある場合は、その期間について質問されても説明できるよう準備しておきましょう。
  • 面接場所への経路や当日の服装についても確認しておきましょう
  • 前日は、十分な睡眠と体に良い食事をとりましょう

きめ細やかな準備をしておけば、自信もつき、慌てずに落ち着いて面接に臨むことが出来ますし、面接官にも、あなたが落ち着いて冷静な人物であるとの印象を与えることが出来るでしょう。また、あなた自身の心構えが安定することで、質問にも上手く回答し、リラックスした状態で面接官と良好な関係を築くことが出来るはずです。

2. 自己紹介は効果的に

「エレベーターピッチ」という言葉をご存じですか?例えば、お近づきになりたい誰かとエレベーターで一緒になったとします。あなたは、そのエレベーターに乗り合わせている15秒から30秒の間に、その相手にアピールしなければなりません。

この場合、あなたは自分自身のセールスポイントを上手くまとめてアピールしなければなりません。つまり、経歴やスキル、経験、特に重要なのは「応募先の企業にとってあなたがどのように貢献できるか」などです。しかし、エレベーターの中でどんなに会話が弾んで盛り上がったとしても、面接では集中して、分かりやすい話し方で、自信を持って自己紹介する必要があります。

時間があれば、こうした自己紹介のやり方を練習してみましょう。面接では、相手の目を見ながらボディランゲージを適度に交えて、質問にはっきりと明確に答えることが出来なければなりません。足元や天井、部屋のどこかに視線を泳がせたりすることがないように気を付けましょう。

3. STAR」テクニックを使い、充実した回答内容に

質問をされても、一言二言ぶっきらぼうに答えて切り上げてしまうのは良くありません。こうした振る舞いは、面接官を驚かせ、戸惑わせてしまうだけです。面接官は聞きたいことを聞けなくなり、あなたと良い関係を築くことも難しくなります。あなたは候補者として失格であるとみなされてしまいますし、アイコンタクトやボディランゲージで補おうとしても、この印象を変えることは出来ません。

あなたにとっても面接官にとっても、面接がお荷物になるのは避けたいところです。そこで、面接の回答を丁寧に、順序立てて構成するための良い方法があります。それが、「STAR」テクニックです。「…した時のことをお話しします」や「…の場合は、…でした」という形式で質問に答えるこの方法は、能力に関する質問をされたときに特に効果を発揮します。

STAR」テクニックは、あなたがかつて体験した「状況(Situation)」、達成を目指した「仕事(Task)」、あなたが採用し、最終的に活用した「アプローチ(Approach)」、その結果、あなたが「手にしたもの(Results)」で構成されます。肝心なのは、自分自身がどのような経験をして、その解決のためにどんな行動をとったのかを、あなた自身が理解していることです。言葉で答えるだけではなく、かすかに頷いたり、目で訴えたり、手振りなどジェスチャーで説明したりと、言語以外のコミュニケーションでも重要な部分を強調することが出来ます。

4. 目的を見失わずに

時には小休止をして、面接の意味を考えてみることも大切です。面接は、応募先企業があなたの評価をする機会ではありますが、あなた自身がその企業や面接官を評価する場でもあるのです。面接官も一人の人間であり、あなたと異なる経験を積んでいる職業人でもあります。面接結果がどうであれ、彼らから学べることもあるはずです。面接のようなストレスがたまりやすい状況では、自分を見失ったり、視野が狭くなったりしがちです。ときおり、立ち止まって振り返ってみるのも良いでしょう。

5. ボディランゲージに気を付けて

不安な時は、ボディランゲージに注意するようにしましょう。顎を掻いて答えに迷うような仕草は、あなたが自分の回答内容に確信を持てていない証拠だと相手の目には映ります。同様に、じっと座ったまま手をブラブラと持て余していると、あなたが不安を感じているサインであると受け止められます。

アイコンタクトや身振り手振り、自信を持って頷くなどの他にも、さまざまな非言語コミュニケーションが存在します。中でも、タイミングよく微笑んだりすることは、とりわけ重要です。あなたが相手の話にきちんと耳を傾け、その内容に躊躇していないこと(本心では不安かもしれませんが)を示しているからです。

また、姿勢よく座っていれば、あなたが面接を好意的に捉えているという印象に繋がります。しかし、だらしない姿勢や腕組みなどの態度は、相手を拒絶しているような印象を与え、面接官との間に壁を作ってしまう原因にもなります。

6. 面接前のモチベーション維持を

私たちは人間です。自分に非がなくても、人生で躓いたり上手くいかなくなる時もあります。面接までの間には、気分がふさぎ込んだり、気持ちを上手くコントロール出来ない時もあるでしょう。しかし、自分で出来る限りのことを尽くして、前向きに、自信を持って面接に臨むことはとても大切です。心には、とても大きな力があります。面接に限ったことではありませんが、ある特殊な場面において、あなたのコミュニケーションに大きな影響を与える場合があるのです。

目前に迫る面接に備えて気持ちを立て直したいと思うなら、「ペップトーク」(スポーツ選手を励ますために、コーチなどがかける短い激励の言葉)で自分を励ましてみましょう。あなた自身の価値と、あなたが会社に貢献できることを思い出すことが大切なのです。面接に成功した姿を心の中で思い描き、オファーの電話を受けたときのことを想像してみましょう。

こうした方法で自分のモチベーションを維持することを習慣づけておけば、面接でのパフォーマンスや、そこで交わされる未来の上司との対話において、あなたの積極性は際立つようになるでしょう。

しかし、いざ面接が近づいてくると、こうした対策を実行するのは億劫になりがちです。みなさんはまだ、面接官が興味を持つのは面接で答える内容であり、他の候補者よりも少しばかりほほ笑んだり落ち着いた態度を見せたりしたからといって面接官の記憶に残ることはない、と思ってはいませんか。

しかし、転職市場では競争が激化しています。ほんのわずかに見える違いが、応募先企業への印象に大きな影響を与える可能性もあるのです。そして、その結果を受け取るのは、あなた自身なのです。

 
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ジェーン・マクニール

ディレクター

 

マクニールは、エディンバラ大学で心理学の修士号(優等)を取得、1987年の卒業後はヘイズのロンドン本社に研修員として入社しました。会計・金融産業のリクルーターとしてキャリアを開始し、その後11年に渡りロンドンの銀行・金融企業向けの正社員上級職の紹介に従事しました。この間に管理職へと早期の昇進を果たし、景気後退に陥ったロンドン・シティのビジネスを目覚しい業績回復に導くと、1992年にはディレクターに就任しました。  

2001年には、オーストラリア西部のパースに移り、現地の拠点を15名から250名の規模に拡大、銀行・金融産業へのリクルーティング部門を立ち上げ、マネジメントに携わりました。  

2007年には、ヘイズ・オーストラリア&ニュージーランドのマネジメント・ボードに就任。現在はシドニーに拠点を置き、ニュー・サウス・ウェールズ州と西オーストラリア州を統括しています。両州は、飛行機で5時間ほどの距離があり、時差も3時間に及びますが、マクニールはこの2つの州で働く400名のスタッフのマネジメントを担当しています。また、オーストラリアとニュージーランド両国内に銀行・金融業へのリクルート部門を立ち上げるなど、この部門に対する熱意を現在も持ち続けています。

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