人事考課で適切なフィードバックをするためには?
人事考課で効果的なフィードバックを提供することは、チームを成功に導く鍵です。しかし、すべての人が初めから自然にできることではありません。今回は、人事考課で適切なフィードバックを提供し、チームの力を最大限に引き出すための8つのポイントをまとめます。
1.準備が肝心
すべての物事同様、事前の準備が大切。考課面談の前に、まずは当初の目標を確認し、それに沿ってパフォーマンスを評価していくことが重要です。また、面談で話し合うべきパフォーマンスの良い例、悪い例を具体的に考えておきます。
2.透明性を確保する
プロセスの透明化が重要です。面談を通して何を議論したいのか、何を達成したいのかということを、事前もしくは面談開始時に伝えておきます。人事考課の際にフォームやテンプレートを使用している場合は、事前に共有します。事前の共有によりメンバーの緊張をほぐすとともに、メンバーが十分な準備ができ、互いに公平になります。
大切なのは、信頼関係を築くことです。優れたリーダーは、信頼関係がチーム内の人間関係において重要だと知っています。信頼関係を築くことができていれば、上司によるフィードバックが個人的な理由からきているのではなく、自分の能力を信じ、成長してほしいと考えてくれているからだと感じることができます。
3.メンバー自身に語ってもらう
面談では、メンバー自身に話してもらうようにします。双方向で、オープンな形で行うものとして、メンバーにもその前提を共有してください。
何がうまくいって何がうまくいかなかったのか、目標と結果、成功と課題について話してもらうことから始め、自分自身の行動を振り返ってもらうことが大切です。
4.ポジティブな話題から始める
具体的な事例を交え、特に印象に残ったパフォーマンスを最初に伝えます。ポジティブな話題から始めることで、モチベーションを高め、その後にネガティブな話題も受け入れられやすくなります。
5.思い込みではなく事実で判断する
思い込みや過度な批評はしないように気をつけます。しかし、業績に関して問題がある場合は、先延ばしにせずに懸念があることをしっかりと伝えることが大切です。
ネガティブなフィードバックをするときは、具体的な事例を挙げることや建設的な指摘をすることを意識します。自分の行動が及ぼす影響を理解してもらい、最終的に改善できる道筋を見出すことが重要です。
例えば、「プレゼンテーションの内容は素晴らしかったのですが、締め切りまでに完成できれば完璧でした。次からは意識してみてください」のように、具体的に伝えることが肝要。プレゼンテーションに関するトレーニングに興味があるか聞いてみるのも良いでしょう。例を伝えるときは、できる限り多く具体的に情報を伝え、曖昧な表現は避けるようにします。それにより、フィードバックの信頼性が高まり、価値のあるものにできます。
また、ポイントを1つに絞って伝えることも意識します。あまり多くの問題を取り上げると、混乱のもとに。メンバーが情報を咀嚼して余裕を持って返答できる時間を設けることが大切です。フィードバックの合間に、質問の時間を設けることも忘れずに。
6.上司は社員をサポートするための存在
フィードバックをするときは、彼らの能力を信じているということ、成長してほしいと考えていることをきちんと伝えることが大切です。
1対1の面談を頻繁に行う、研修を追加で実施するなど、必要なサポートがないかを尋ね、働きやすい環境を整えるのが上司の役割のひとつです。
7.ポジティブな気持ちで終える
活力を取り戻し、インスピレーションを与えることが大切です。そのためには、ポジティブな気持ちで人事考課を終えられるように意識する必要があります。ポジティブな点を繰り返し強調し、今後数か月間の抱負や目標を尋ね、自分の口から話してもらうのも効果的です。
組織としては、目標達成はあくまで最低限の期待であり、社員は常に高い目標に向かうべきであることを明確にする必要があります。高い目標を目指してもらうために、意欲的な環境を作り出すことが重要です。
8.やる気を引き出す場として活用する
面談後は、特に重要な目標を箇条書きにし、文面で残すようにします。目標を定期的に確認するよう促すことで、集中力とモチベーションを維持することができます。進捗状況を確認する日を決めておくことも役立ちます。
また、年に2~3回の正式なレビューに加え、個々のタスクやプロジェクトについて定期的にフィードバックを行うのも有効。チームを目標達成に導き、向上心と生産性の高い環境を育むことができます。
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著者
ジェフ・フォーセット
ヘイズUK、ディレクター
16年以上にわたって人材紹介業に携わり、現在はロンドンの銀行・金融サービスに統合的な人材ソリューションを提供する「ヘイズ・フィナンシャル・マーケット」を担当。財務、オペレーション、人事、マーケティング、購買、秘書、リスク&コンプライアンス、フロントオフィス、ファイナンステクノロジー、エグゼクティブなどの専門部門を持ち、100人以上のコンサルタントを擁しています。