アルゴリズムの進化で履歴書の書き方はどう変わる?
ATSで特筆すべき機能が(履歴書解析)です。この機能を備えたソフトウェアは、履歴書や職務経歴書に記載されたデータを自動処理し、事前審査機能により候補者のスキルや経験、学歴、役職などを分析することが可能です。
履歴書などから取り込まれたデータは、解析後、体系化されたプロファイルに変換され、リクルートメントシステムに格納されます。これによりリクルーターは、大量の候補者データに迅速にアクセスすることが可能です。
まずはハードスキルから
また、経験した業界やシステムなども、アルゴリズム審査に有効な場合がありますので、これらについても履歴書等への記載をお勧めします。
また、選択したキーワードに類似した言葉を記入するだけで、最終審査まで通過する可能性が高くなります。
ソフトスキルを確認しましょう
「communication(コミュニケーション)」、「adapt(適応力)」、「organise(組織力)」、「time management(時間管理)」、「professionalism(プロ意識)」など、ソフトスキルに関するキーワードも忘れないでください。これらも仕事に求められるスキルです。履歴書やLinkedInのプロフィール全般でこれらのキーワードを使用し、あなたがこれまでに達成した成果を表現してください。例えば、「I used my time management skills to plan a successful annual conference with a strict budget in a short time frame.(タイムマネジメントスキルを活用して、限られた予算と時間の中で年次総会を計画し、成功に導いた)」などの表現が参考になるでしょう。
また、前職の成果を伝える言葉を効果的に挿入することもお勧めします。キーワードと「動詞」をうまく相関させるだけで、表現効果は向上します。例えば、「always achieved the target goals(目標を常に達成)」よりも、「I surpassed target goals by 20 per cent in Q1 and 18 per cent year-on-year (第1四半期の目標を20%、前年同期と比べて18%上回る結果を達成)」とした方が訴求力が増します。
LinkedInのプロフィール充実化を
LinkedInのプロフィールを充実化させましょう。サマリー欄に記入しない登録者も多いようですが、制限文字数をフルに活用して過去の成果やスキル、自分自身の価値を伝えてください。もちろん、キーワードを効果的に挿入することも忘れずに。
役職名は分かりやすく
特殊な役職名は避けた方が賢明です。正式な役職名が一般に通用しにくい場合には、業界一般で使用されている名称の使用をお勧めします。
アルゴリズム審査に対応したフォーマットを使用しましょう
フォーマットによっては、記載内容をアルゴリズムが認識できない場合があります。履歴書などはアルゴリズム審査に対応したものを使用してください。誤ったフォーマットを使用すると審査に通過できない場合があるので、注意が必要です。
具体的な表記を心がけましょう
採用管理システム(ATS)が注目するのは具体的な成果です。曖昧な表現には反応しませんので注意が必要です。「team player(チームプレイヤー)」や「innovative(革新的)」など使用頻度の高い言葉は、職業的な見地からはあなたを上手く表現しているのかもしれませんが、具体的な理解に繋がるとは言えません。こうした一般用語よりも、あなたの成果を具体的に伝える言葉を使用しましょう。
履歴書の「職歴」の欄では、過去の仕事について、経験した職務と達成した成果をそれぞれ5つアピールしましょう。これらを具体化することで、リクルーターや採用担当者だけでなくATSもまた、あなたが必要な専門知識を有していることを明確に認識できるようになります。ここでもキーワードに類似した言葉を効果的に挿入しましょう。アルゴリズム審査による評価が向上する可能性があります。
リクルートメントとは、常に人と向き合うビジネスです。その根本にあるのは信頼関係であり、人間同士の触れ合いが重要であることに変わりはありません。しかし、スマートアルゴリズムなどの進化により人材採用プロセスは進化し、これに伴いリクルートメントの在り方も進歩を続けています。今回ご紹介したポイントを参考にすれば、これらの進化に遅れることはないでしょう。