マインドフルネスとは?職場のコミュニケーションへの活用方法を紹介
「マインドフルネスとは、中立的な立場から、今という瞬間へ意識的に注意を向けることである」
―ジョン・カバット・ジン、マインドフルネスによるストレス低減法の考案者
マインドフルネスは、仏教の教えに起源を持ち、多くは瞑想という形で行われます。日常生活に当てはめて考えてみると、マインドフルネスは、プライベートか仕事ということに限らず、今という瞬間に対して意図的に集中し注意を向けることを意味します。
ビジネスシーンにおいては、精神的な疲労を軽減し働きがいを向上させる効果があり、職場のコミュニケーションにも良い影響を与えると言われています。
同僚とのコミュニケーションに活用
マインドフルネスと行動・反応の柔軟性の間には、関連性があると考えられています。つまり、条件反射的に難しい状況に対応をするよりも、今起きていることに集中すれば、より適切な対応を選ぶことができるようになるということです。これは、職場の人間関係にも役に立ちます。
例えば、同僚たちがやりがいのあるプロジェクトを終えて、その喜びや達成感を伝えてきたということがあったとします。しかし、あなたは、同僚たちを祝うことができず、その場でプロジェクトに関わらせてもらえなかった不満やいらだちを伝えてしまいました。
このような状況もマインドフルネスを活用すれば、ポジティブな対応ができるかもしれません。まず、同僚たちを祝福しましょう。その後に、自分がプロジェクトに参加すべきと感じた理由を冷静に説明し、今後協力し合いながら働くことができるような方法を提案しましょう。前者の例のように条件反射的に行動するより、マインドフルネスを意識した方が、より建設的で適切な対応ができているのではないでしょうか。
マインドフルネスを活用したチームビルディング
マインドフルネスを活用し、メンバー間の相互理解を促すためには、現在取り組んでいることではなく「起きていること」へ完全に集中することが大切です。例えば、スマートフォンや仕事に気を取られず、しっかりと同僚と向き合い、思いやりのある行動をするということです。このような習慣を取り入れて定期的に行うことができれば、チームミーティングの時間を短縮し、生産性を向上させることができるかもしれません。
また、マインドフルネスと共感の向上には関係性があるという研究結果もあります。他者に配慮するということは、他者の視点や考え方を理解するのに役に立ちます。ミーティングや危機管理に追われ、「次にすべきことは何だろう」と自分たちがやっていることにも集中できないでいると、他者に共感し、本当の意味で相手の見方や求めていることを理解することができなくなってしまいます。
常に、マインドフルネスを意識する必要があると言っているわけではありません。集中力の持続という点を考慮すれば、常にマインドフルネスの状態を維持し続けるのは難しいことかもしれません。状況を十分に理解していない状態で、素早く対応しないといけない場合もあるでしょう。しかし、時折でも、マインドフルネスの状態を意識することができれば、自分や周りにいる人にとって大きな財産となるのではないでしょうか。