履歴書に「趣味」は記載するべき?

 

転職活動の一番のハードルでもある「履歴書作成」。求職者の魅力を最大限アピールするためのものであり、これを使い、採用担当者にこれまでの実績や会社に貢献するためのスキルなどを示します。そしてこの履歴書を作成する中で「趣味・特技」欄はどの程度就職活動に関連性があるのでしょうか?

履歴書を作成する際、経験やソフトスキルをまとめるために既存のテンプレートを使う方がほとんどだと思います。しかし企業にアピールするためには、必ずしも型にハマることが良いとは限りません。カバーレターのように、履歴書も企業の採用ニーズに合わせて作成する必要があります。そして適切である場合、「趣味・特技」のアピールも効果的です。
 

履歴書における「趣味」とは?

趣味とは、余暇に行う活動のことです。なにかを熱心に制作することや、また副収入を得るための副業なども趣味にあたります。他にも趣味の例をいくつかみてみましょう。
 
  • クリエイティブ関連執筆、読書、音楽、芸術など
  • スポーツマラソンのようなソロで行うスポーツや、サッカーのようなチームスポーツなど
  • ボランテイア活動募金をしたり、慈善活動のイベントを主催する
  • 競技チェスなど、スポーツ以外の大会などへの参加
当然ながら趣味は多種多様です。ただ、履歴書に関しては、トランスファラブルスキル(転用・応用可能なスキル)として捉えられるような趣味を書くのがいいでしょう。

例えば趣味で小説を執筆しているのであれば、コピーライティングや校正スキルとしてアピールできるかもしれません。演劇が好きなら、プレゼンテーションのスキルに繋げられますし、趣味で絵を描いているのであればグラフィックデザイナーとして可能性が広がります。

大切なのは、採用担当者が「あなたを採用すべき理由」を常に探していることを忘れないことです。履歴書に書くことがすべて企業の採用ニーズに合っているのかどうか?を意識しましょう。そしてあなたの趣味や特技から得たスキルが、企業にどのようなメリットをもたらすことができるのか?を明記しましょう。
 

履歴書に「趣味・特技」を書く理由

一度の採用に何百人もの候補者をふるいにかけることもある中、採用担当者は本当に自分の趣味に興味があるのだろうか、と疑問に思うかもしれません。答えは「イエス」です。あなたの趣味や特技が他の候補者との「差」につながるかもしれません。優れた技術やスキルを持っていたり、チームプレイヤーであることをアピールできるような趣味を書きましょう。

また、あなたが下記に当てはまる場合も、趣味・特技欄を使うといいでしょう。
 

新卒または社会人経験が少ない場合

最初は誰でも未経験からはじまります。なにも恥じることはありません。長年の経験はなくとも、あなたの個性や仕事ぶりは趣味を通してアピールすることができますし、採用担当者に好印象を残すことができるかもしれません。例えばあなたの趣味が「楽器演奏」だと仮定しましょう。これだけであなたが練習に熱心で、なにかを学ぶことに前向きであるという印象を残すことができます。
 

社風と合っているか知るきっかけを探している

あなたがこれから面接に挑む会社は、そこで働きたいと思うほど魅力的なのでしょう。ですが仕事の魅力というのは、仕事内容にとどまらず、その企業の目標や価値観からもみられます。たとえばあなたの趣味が「チームワーク」を必要とするものであれば、チームで業務に取り掛かかり、その指導に力を入れているような企業と相性がいいといえます。
 

履歴書に「趣味・特技」を書かないほうがいいケース

趣味はあなたの個性をアピールする素晴らしい方法ではありますが、その個性はあなたの一部でしかありません。採用担当者はトランスファラブルスキルを持つ優秀な候補者を探していることも忘れてはいけません。趣味のアピールに重点を置きすぎて、選考に支障をきたすようなことは避けるようにしましょう。


次のような場合は「趣味・特技」欄を書かない方がいいかもしれません。

仕事内容に関連付けられる趣味ではない場合

趣味でショーの火吹きやアーチェリーをしています、と言うと食事の場では盛り上がるかもしれませんが、はたしてそれは仕事のプロジェクトマネジメントに役立つ趣味でしょうか?ビジネスに応用できるスキルがない場合、無理やり記載する必要はありません。
 

とくに趣味などがない場合

みんながみんな多趣味なわけではありません。暇な時間があれば、友達と会ったり、映画をみたり、ゲームしてまったり過ごすのが好き、という人も多いです。そういったケースでは趣味・特技ではなく、かわりに学歴やボランティアの実績などに焦点を当ててみましょう。
 

履歴書の文字数が限られている場合

採用担当者には、長編小説並みに文字詰めされた履歴書を読む時間はありません。あなたが会社にどのような利益をもたらせるか、簡潔に知りたいのです。履歴書のスペースが足りない場合は、趣味欄は箇条書き程度で収めるか、もしくは全体を省くことも検討しましょう。

書きたい内容がたくさんある場合は、「履歴書ヘルプガイド」を参考に、どこを削ればいいのかを判断してみてください。もしくは、LinkedInなどのプロフィールページを提示するのもいいかもしれません。
 

履歴書の「趣味・特技」欄の書き方

もし履歴書の余白に余裕があり、トランスファラブルスキルをお持ちなら、ぜひ「趣味・特技」欄を設けましょう。基本的な履歴書の構成は以下を参考にしてください。
 
  1. 個人情報や連絡先これまでのあなたの経験を簡潔にまとめ、電話番号やメールアドレスなどの連絡先を記載します。
  2. スキル具体的なスキル(ソフトウェア関連など)やソフトスキル(問題解決能力など)を箇条書きにまとめるといいでしょう。
  3. 職務経歴これまでのアルバイトや職務経歴、ボランティア活動を明記し、求めるポジションにどのように生かせるかアピールしましょう。
  4. 学歴と資格最終学歴や持っている資格を記載しましょう。
  5. 趣味・特技履歴書の一番下に書きましょう。履歴書をより良く見せることができる「趣味」欄ですが、簡潔で適切にまとめる必要があります。
最後に、採用担当者が必要とすれば推薦状も提出できる旨も記載しておきましょう。
 

履歴書に書ける「良い趣味」の例

趣味を書く目的は、採用担当者に良い印象を持ってもらう手段であることを忘れてはいけません。趣味は、以下のように各種トランスファラブルスキルにカテゴライズできます。
 

問題解決能力

チェスや読書会といった、知的な趣味がこのカテゴリには最適です。また料理教室や脱出ゲームといった楽しい趣味も、問題解決能力をアピールできるかもしれません。
 

コミュニケーションスキル

ボランティア活動や演劇活動はコミュニケーション能力が求められます。またスポーツチームのコーチをしていたり、外国語を学んでいる場合も同様です。

プロジェクトマネジメントスキル

イベントの主催やスポーツチームの指導、ブログ執筆や絵画といったクリエイティブな趣味でプロジェクトマネジメントスキルをアピールできます。

 

チームワークスキル

協調性をアピールするために、地元のスポーツチームや演劇団、美術のグループレッスンの参加などについて記載するといいでしょう。

 

クリエイティブスキル

あなたがアーティスト、作家、ミュージシャン、パフォーマーなどであればクリエイティブスキルを披露する絶好のチャンスです。個人的なプロジェクトや、地元の地域社会とのコラボレーションについてぜひ話してみてください。