退職届の書き方
このブログを読んでいるということは、新しい仕事のオファーを受けたということでしょう。おめでとうございます!きっと新しいキャリアにわくわくしていることでしょう。
こういった気持ちと同時に、転職先が決まったことによって現職での退職の意向を伝えることは、ストレスや心配の種になっているかもしれません。退職届の提出は当然ながら、多くの人々にとって大変困難なプロセスのように感じることです。人によっては、この困難な感情はもっと強いかもしれません。
こういった気持ちと同時に、転職先が決まったことによって現職での退職の意向を伝えることは、ストレスや心配の種になっているかもしれません。退職届の提出は当然ながら、多くの人々にとって大変困難なプロセスのように感じることです。人によっては、この困難な感情はもっと強いかもしれません。
新しいキャリアを楽しみにしていると同時に、複雑な心境で時を過ごしている方もいらっしゃると思います。在職中にお世話になったマネージャーに対し、転職の意向を知らせなければならないからです。
現職で転職の旨を伝える時に、気を付けることがあります。あなたが現職に与える最後の印象は、初対面の人と会ったときの第一印象と同じくらい重要になってきます。たとえ現在の仕事にネガティブな感情があったとしても、退職届の中でその詳細を書いたり、ほのめかしたりすべきではありません。それは相手に悪い印象を与え、あなたの人格の貧しさやプロ意識の低さを示すことになるでしょう。退職届の提出は、現職で最後のやるべきことの一つですが、あなたのキャリアや評判は退職後もずっと長く残ると留意してください。今後、転職時のレファレンスチェックを現在のマネージャーに依頼する可能性もありますので、前向きな形で印象よく退職することが大切です。
退職届とは何か?
新しい仕事のオファーを承諾し契約書に署名後、すぐに行うべきことは、マネージャーに報告することです。退職届は退職を伝える正式な方法であり、転職先の勤務開始日と現職での最終勤務日を記載した法的文書として機能します。
あなたがメール、インスタントメッセージ、個別の打ち合わせや電話などでマネージャーに連絡することに慣れているなら、退職届として正式な文書を書くことは少し堅苦しく、違和感があることかもしれません。このブログでは退職届の重要性、退職届に書くべきこと、書くべきでないこと、良い退職届の例を説明していきます。
多くの場合、退職届は雇用主がファイリングし保管するため、あなたは雇用契約条件に従う必要があるでしょう。それ故、退職届はプロフェッショナルな形で記載する必要があります。
退職届を書くことが重要な理由
まず、シンプルなことですが退職届を作成することが重要です。これが退職する意思表示の正式な証拠となるからです。退職することを口頭だけでマネージャーに知らせるような方法は、正式な退職記録としては残りません。
退職届には届出を出す日、最終勤務希望日を記載します。これにより、雇用主に対して自分の退職を明確かつ確実に通知することができます。また、すべてを書面化すれば退職届を後日改ざんできません。
また、これまでお世話になった感謝の言葉を伝えることも重要です。あなたの退職は雇用主にとってあまり良い知らせではないかもしれないので、退職届はマネージャーと現職に対するあなたの感謝の気持ちを示す最後のチャンスであることを覚えておいてください。
退職届は、あなたが役割を享受して働いたこと、仕事を通じ多くのことを学んだこと、お世話になったことへの感謝の気持ちを伝える良い機会です。たとえ現職があなたにとって必ずしもやりがいのある、満足のいく仕事ではなかったとしても、他人行儀なビジネスレターのように書くべきではありません。
退職届に書くべきではないこと
たとえネガティブな理由で退職する場合(例:出世のチャンスが無いので不満である、組織の目的が自分の個人的考えと合わない)でも、退職届はそれらの理由を伝える場所ではありません。退職届の目的はただ一つ:雇用主に対して、あなたの希望退職日を連絡することです。これを覚えておいてください。
- 退職理由にネガティブな理由を書かないこと:雇用主、マネージャー、同僚、給与、仕事内容、役割に問わず、ネガティブな内容は書くべきではありません。会社、仕事、職場環境について懸念を抱いているなら、マネージャーとの退職面談時に話すべきです。ただしその場合でも、あなたの意見はポジティブな印象となるよう伝えるべきです。
- 最終勤務日を曖昧にしないこと:雇用主が業務引継ぎ期間とそれ以降の引継ぎをスムーズに進められるよう、また退職後に問題をつくらないためにも、最終勤務日を明確に決める必要があります。
退職届の書き方
退職届を書く際は、雇用主にすべての必要な情報を確実に伝えるため、以下の書き方を参考にしてください。
- 手紙のように、退職届を書いた日付と連絡先情報(電話番号・メールアドレス)を記載します。
- 退職届の宛先が正確かどうかを確認してください。名宛人は通常、現在のラインマネージャーまたはあなたが仕事で報告する人を書きます。
- 退職届の冒頭は明確かつ簡潔に、あなたの退職を通知します。
- 通知期間を書きます。通期期間は雇用契約条件に従って、会社での最終勤務日を記載します。
- 引継ぎ期間中、何らかの形で貢献したい旨を記載します。例えば新入社員に対するコーチング、同僚のスキルアップなど、あなたの役割や責任に関する引継ぎについてです。
- お世話になったことに対し雇用主に感謝の言葉を述べると共に、あなたが特に感謝していること、業務を通じて学んだ経験、プロジェクトやその時期について記載します。これらの経験があなたのキャリアアップの役に立ったのであれば、その経験がいかに有益であったのかを伝えるのに良い機会です。ちょっとした気持ちを簡潔な言葉にすることはとても効果があり、コストもかかりません。
- あなたの氏名と署名を添え、退職届を完成させます
退職届の例
あなたの氏名
あなたの電話番号
あなたの電子メールアドレス
[会社名]
[マネージャーの氏名]様
突然ではございますが、この度一身上の都合により、[会社名]での[職位]から離れ、退職することをご報告いたします。また、退職の通知期間が[通知期間を挿入、例:1カ月]ですので、最終勤務日は[日付]になることをここにお知らせします。
退職日までの間の引継ぎ業務等、最後まで一生懸命やらせていただきます。
在籍中は様々なチャンスの場を与えてくださり、多くの素晴らしい経験をさせていただいたことに心から感謝しております。例えば、Yプロジェクトで、Xスキルを開発できたことや、Zに関して責任を任せていただいたことは、貴重な経験となりました。
ここで培った経験は、私の人生にとっての財産です。
お世話になった皆さまの今後のご活躍と、ご健康を心よりお祈り申し上げます。
残り少ない期間となりますが、引き続き宜しくお願いいたします。
お世話になった皆さまの今後のご活躍と、ご健康を心よりお祈り申し上げます。
残り少ない期間となりますが、引き続き宜しくお願いいたします。
敬具
[日付][あなたの氏名]
次のステップ
退職届の準備ができたら次は、退職届をいつどこで、マネージャーに手渡すかを考えます。対面での打ち合わせ(可能な場合)やリモート勤務の場合はメールでマネージャーに伝え、あなたの退職を正式なものにします。下記のプロセスをご参考になさってください。
- 上記のアドバイスとガイダンスに従い退職届を書く。ラインマネージャーのスタイルに応じて、退職届を紙に印刷するか、メールを作成します。どちらの場合でも、おそらくマネージャーはあなたが渡した、または送った退職届をスキャンし、社内手続き用に送付する必要があるので、退職届の提出はプロフェッショナルな方法で行うべきことに留意してください。
- 可能な場合は、マネージャーとの対面での打ち合わせを設定する。上司の机にただ退職届を置くことは単に関係を気まずくさせるだけでなく、ネガティブな印象を与える可能性があります。そのため、必ず個室で行えるよう打ち合わせを準備し、打ち合わせ前に話す内容を考えておいてください。あるいは、リモート勤務している場合は、ビデオ通話を準備する必要があり、たとえバーチャルでも、「対面」形式で会話しているように準備する必要があります。打ち合わせ中は、プロフェッショナルな態度に徹し、未払いの給与や未消化の休暇等の不確定事項を明確にすると共に、これまでお世話になったことについて感謝の言葉を伝えます。
- マネージャーに退職届を提出することが不安な場合、退職理由を見直し、必要であれば声に出してリハーサルをしてから打ち合わせに臨んでみてください。
- マネージャーに転職先を告げたいか否かを考える。転職先を明らかにしたくないなら、あなたにはそれを秘密にする権利があります。しかし、マネージャーに転職先の組織名や退職後の予定を告げた方があなたの気持ちが楽になるのなら、それを話してください。但し、マネージャーから尋ねられた場合に備え、打ち合わせ前に転職先を話すか否かを決めておいてください。
- カウンターオファー(対案)に備える。退職の意志決定はマネージャーにとって、ショッキングな出来事かもしれません。マネージャーはあなたを引き留めようとしてカウンターオファーをしてくるかもしれません。あなたがそのようなオファーを受けるつもりがないなら、昇給や昇進を承諾したり、会社に留まることに同意する必要はありません。その代わり、そもそも退職したかった理由、新しい仕事の魅力、別の場所で新しい仕事を探したいというあなたの動機を、そのカウンターオファーによって変えることができるか否かを自問してみてください。カウンターオファーがあった場合、あなたの退職意思は変わりそうですか?
- フォローアップをする。カウンターオファーを受けない場合、退職届の提出日から退職日までの期間は、円滑な引継ぎを確実に行い、ポジティブな気持ちで過ごすことに徹しましょう。この時点では、「やりかけの仕事」を片付け、完全に前向きでプロフェッショナルな態度を保ち、同僚やあなたの仕事を引継ぐ人があなたの退職直後の数週間や数カ月間、引継ぎ業務を管理できるよう、十分に準備をしておくことが非常に重要です。それ故、退職通知の打ち合わせを行なったらすぐに、打ち合わせの内容を確認できる簡潔なメールを、感謝の言葉を添えマネージャーに送ってください。
- 退職することを秘密にする。あなたの退職を他の誰に言うべきか、あなたのチームにどのように、いつ知らせるべきかを決めるのはマネージャーです。
転職する意思決定をし、退職届を提出すると、複雑な感情が湧いてくることはよくあることです。例えば、その間、同僚があなたにどのように接してくるか心配になったり、会社に残る同僚のことを名残惜しく思うことがあるかもしれません。
実際には、人生においてほとんどの人(あなたのマネージャーも含めて)は、このような状況に置かれることがあるでしょう。あなたはチームにとって貴重な存在だったかもしれませんが、組織はあなたがいなくても崩壊することはありません。自分の意志決定を信じ、この先に待ち受けるワクワクする新しい可能性を楽しみにしてください。
あなたの新しい仕事での幸運をお祈りいたします。
著者 ジェイン・マクニール
ヘイズ・オーストラリア 取締役
エジンバラ大学の心理学修士号(優等学位)を取得し卒業後、1987年、大卒研修員としてヘイズのロンドン本社に入社しました。会計・財務のプロフェッショナルの採用からキャリアをスタートし、ロンドンの銀行・金融セクター向けの上級常勤プロフェッショナルの採用を11年間担当しました。この期間に管理職として出世していき、不況後のロンドンのシティビジネスを驚異的な回復に導いた後、1992年、取締役に任命されました。
2001年、西オーストラリア州のパースに異動になり、その後10年間、同州におけるヘイズのビジネスを15名から成るチームから250名のスタッフにまで規模を拡大させました。また、ヘイズの銀行・金融サービスビジネスを立ち上げ、経営しました。
2007年、オーストラリアおよびニュージーランドの役員会メンバーに任命され、現在はシドニーを本拠として、ニューサウスウェールズ州と西オーストラリア州の両方におけるヘイズの事業運営を監督しています。飛行機で5時間かかり、3時間の時差があるこの2州で勤務する400名のスタッフの責任者をしています。同時に、ヘイズ・バンキングとヘイズ・インシュアランスについてオーストラリア全土の責任を負うことにより、銀行・金融サービスの採用活動に強い関心と情熱を持ち続けています。