大企業とは?基準や定義、中小企業との違いを解説

 
大企業は社会的な知名度が高く、安定性や将来性があるというイメージを持つ人も多いでしょう。転職を考える際に大企業と中小企業どちらが自分に合っているのか、迷う方もいるのではないでしょうか。
 
この記事では、大企業とはどういった企業なのか、定義や中小企業との違いなどについて解説します。大企業で働く注意点や、中小企業と比較したメリットなども詳しく紹介するので、大企業への転職を検討している方は参考にしてください。
 

目次

  1. 大企業とは
  2. 中小企業とは
  3. 大企業と中小企業の比較
  4. 大企業で働く注意点
  5. 大企業への転職を目指すには?
  6. 大企業への転職ならヘイズ・ジャパン

大企業とは

 
「大企業」という明確な定義はありませんが、社員数や資本金が一定基準よりも大きい企業に対して使われる言葉です。ウィキペディアやオンライン辞書内では「中小企業よりも規模の大きい企業」と解説されています。
 
「大手企業」や「上場企業」など似たような言葉と混同されやすいですが、「大企業」は知名度や上場しているかどうかは関係ありません。ここでは、大企業の定義や意味についてより詳しく解説していきます。
 

大企業の法律上の意味

大企業は明確に定義されているわけではありません。ウィキペディアによると、「中小企業の基準を超える企業」を大企業としています。会社法や中小企業基本法などの法律でも、定義されているのは中小企業だけであることから、大企業とは中小企業の対義語として浸透しているといえます。
 
言い換えると、中小企業基本法における中小企業の定義に該当しない企業は、大企業と判断できるでしょう。大企業の定義がない理由として、日本における企業の大半が中小企業であることが挙げられます。
 

基準は「社員数」と「資本金」

中小企業基本法における中小企業の定義は、「社員数」と「資本金」が規定水準を満たしている企業です。そのため、法律で定義のある中小企業の基準よりも、資本金額や従業員数において規模が大きい企業のことを「大企業」と呼んでいます。
 
中小企業の具体的な定義については、後ほど詳しく解説します。
 

大企業=上場企業ではない

「大企業」は上場しているとは限らないため、上場企業とも異なります。「上場企業」とは、審査をクリアし証券取引所で株式の取引が行える企業のことで、企業の規模は関係ありません。全国的に知名度の高い大企業であっても、上場していないケースは多々あります。その一例が「合同会社」と呼ばれる形態です。
 
「合同会社」は、設立時に資金を出資した人が経営を行う企業形態を指します。株式会社のような株式の発行や上場はできませんが、設立コストを抑えられ、経営の自由度も高いことから近年特に増えている企業の1つです。
 
日本における合同会社では、以下のような企業が大企業に該当します。
 
  • 合同会社西友
  • 合同会社DMM.com
  • ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社
また、日本にある外資系の合同会社で、大企業にあたるものには以下のように知名度の高い企業も多く含まれます。
 
  • Google合同会社
  • Apple Japan合同会社
  • アマゾン・ジャパン合同会社

日本の大企業の数

中小企業庁のWebサイト上で公開されている「日本の中小企業」によると、日本全体の企業数421万社のうち、大企業に分類される企業数は1.2万社、全体の0.3%ほどです。一方で、中小企業と定義される企業の数は約419.8万社、つまり全体の99.7%を占めています。日本で大企業に該当する企業は非常に少ないことがわかります。
 

メガベンチャー・外資大手

「メガベンチャー」や「外資大手」も規模が大きな企業のため、大企業に属します。「メガベンチャー」は、大企業へ成長したベンチャー企業のことで、日本ではソフトバンク株式会社やLINE株式会社、ヤフー株式会社などが該当します。
 
「外資大手」とは、外資系の大手企業のことです。大企業同様に、外資系企業という明確な定義はないものの、日本以外で法人登録された企業や、海外の投資家の資本で成り立つ企業などを指します。特に、金融やIT、コンサルティング、メーカーといった業種に外資大手が多く見られます。
 

中小企業とは

 
「大企業」とは、中小企業の定義に当てはまらない企業のことでしたが、一方で「中小企業」とはどう定義されているのでしょうか。ここでは、中小企業の業種ごとの基準について詳しく見ていきます。
 

中小企業の定義は会社法で定められている

中小企業の定義は、中小企業基本法で明確に定められており、業種によって具体的な条件が異なります。そして、基準を超えた企業は、基本的に大企業としてみなされます。
 
業種別の中小企業の基準は、以下の通りです。
業種
中小企業者 小規模企業者
資本金額
または出資総額
常時使用する従業員数 常時使用する従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他(以下を除く) 3億円以下 300人以下 20人以下
卸売業 1億円以下 100人以下 5人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下 5人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下 5人以下
 
なお、上記基準は、個別の中小企業施策における基本的な原則であり、法律や支援制度によっては「中小企業者」の定義が異なる場合があります。必要に応じて、法律の所管担当や補助金制度などの窓口に確認しましょう。
 

大企業と中小企業の比較

 
大企業と中小企業それぞれの特徴について比較していきます。大企業と中小企業、メガベンチャーとベンチャー(スタートアップ)の定義を、改めておさらいしましょう。
 
  • 大企業:規模の大きな企業、中小企業の基準に該当しない企業
  • 中小企業:中小企業基本法で定められている基準を満たした企業
  • メガベンチャー:ベンチャー企業が成長して組織が大きくなったベンチャー企業
  • ベンチャー(スタートアップ):短期間での急成長を目指し革新的な事業を行う企業
就職や転職を考える際、大企業と中小企業では労働環境や福利厚生といった条件が異なります。同じ業界や職種であっても、適性や目指す方向性、優先順位に加えて企業規模についても比較検討することが大切です。
ここでは、以下5つの項目について大企業と中小企業の特徴を解説します。
 
  • 社会的信用度
  • 福利厚生
  • 給与(ボーナス・昇給を含む)や昇進
  • 労働時間・休暇制度
  • 会社の将来性や安定性

社会的信用度

大企業と中小企業では、社会的な信用度が異なります。大企業は規模が大きく、安定性や将来性のあるイメージで、多くの人が知る有名企業も少なくありません。そのため、社外の人から社会的に信用を得られやすく、取引先や顧客との交渉で有利に働く可能性があります。また、住宅ローンや教育ローンを組む際にも有利でしょう。
 
中小企業では社長や上司との距離が近いため、社内における信用度はアップしやすい傾向があります。自分の頑張りを認めてもらいやすく、企業貢献ややりがいを感じられる点はメリットといえます。
 

福利厚生

福利厚生は、大企業と中小企業で大きな差が出やすい項目の1つです。多くの大企業では経営が安定しており、年金や保険制度、通勤の交通費、住宅手当、財形貯蓄制度などの福利厚生が充実している傾向があります。
 
他にも、育児代行サービスやフィットネスジム、保養所利用での割引や、資格取得手当といったサポートにより、社員の働きやすさを高めている企業も見られます。中小企業でも、年金・保険や交通費など基本的な福利厚生は揃っている企業が多いでしょう。
 

給与(ボーナス・昇給を含む)や昇進

大企業では、給与や査定の基準が明確であり、中小企業と比べると高給な企業や業種が多い傾向があります。ボーナスや昇給を含む給与に加えて、福利厚生による手当も多いため、手取り自体も高いでしょう。
 
また、定年時の退職金制度の規定が設けられており、退社時の支給も手厚い傾向があります。退職後の生活に
も余裕が出やすく、起業した際に大企業のネームバリューによって信用を得られる可能性はあります。
 

労働時間・休暇制度

大企業と中小企業では、労働時間や休憩時間に関する規則にも違いがあります。大企業の場合、労働時間や休憩時間について細かくルールを整備しており、ライフワークバランスが取りやすい労働環境にあります。
 
社員数が多い、つまりはフォローできる人が多いために、有給休暇や長期休暇も取りやすいでしょう。多くの大企業は産休や育休を設けている上、終わった後の復職もしやすく、女性の働きやすさも確保されている傾向があります。
 

会社の将来性や安定性

大企業と中小企業とでは、会社の将来性や安定性における差があります。大企業は事業規模が多い分、世の中が不景気でも倒産しにくい傾向です。また、投資できる金額が大きいため、人件費や設備費などをしっかり使って事業に必要なリソースを確保することが可能です。
 
安定性が高く、将来性のある職場で長く勤めたいと考える人にとっては、大企業はメリットが大きいでしょう。


大企業で働く注意点

 
大企業には中小起業に比べて、社会的信用や給与、福利厚生といった多くのメリットがありますが、注意点もあります。採用率の低さや業務範囲の狭さ、ライバルの多さといった項目は大企業ならではのデメリットといえます。
 
大企業で働く上で気をつけたい注意点について詳しく解説します。
 

採用率が低い

大企業は先述した通り、給与や福利厚生などの条件が良いため、求人の中でも特に人気です。そのため、採用率は低く、入社するためには難関を突破する必要があります。中には、書類選考で切られてしまい、面接にすら進めないケースも珍しくありません。
 
リクルートワークス研究所の「第39回ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)」によると、従業員規模5,000人以上の大企業の大卒求人倍率は0.41倍と極めて低い数値です。ただし、大企業は給与が高い分、社員に要求するスキルやレベルも高いため、入社できても周囲のレベルについていけず、途中で辞める人もいます。
 

業務範囲が狭い

大企業では、部署や役職が細かく分けられており、一人あたりが担当する業務の範囲が狭い傾向があります。従業員が多い大企業では、個人が担当する業務の境界が明確なため、部署や会社全体における業務フローや状況を把握することは難しいでしょう。
 
一方で、中小企業では人数が少ないため、人事と総務、営業と営業事務というように職種をまたがって担当しなければならないケースも少なくありません。その分、経営を含む幅広い知識やスキルを習得できるチャンスがあります。大企業は経営を学びたい、多くの仕事を引き受けたい、という人には不向きでしょう。
 

出世競争が厳しい

大企業は役職も多いですが、出世しづらい一面もあります。社員数に対するマネージャーや管理職のポジション数が少ないため、ごくわずかな人のみが出世できます。また、ライバルが多い分個人への評価が目立ちにくく、埋もれてしまう可能性もあります。
 
中には、日本特有の「年功序列」の社風が残っている企業もあり、出世に時間がかかるケースもあります。頑張りが評価に反映されやすいかどうかは、企業の規模だけでなく社風や部署によるところもあるので、入社前に確認しておきましょう。
 

大企業への転職を目指すには?

大企業は安定性や整った労働環境などの魅力があり、転職先に希望する人も多いと思います。大企業での経験は、スキルや知名度などの理由で、その先の人生にも良い影響を及ぼしやすいでしょう。
 
まずは自分の得意分野に見合った企業を絞り込み、その企業について徹底的に調査を行うことが大切です。また、できるだけ募集人数が多い企業を選ぶと、間口が広い分採用される確率が高まるでしょう。
 
大企業への就職経験がない場合は、経験値の高い転職のプロに相談すると的確なアドバイスをもらえます。大企業の採用では多くの人が応募するため、企業側に「採用する価値のある人材である」と十分にアピールできるよう準備することが大切です。企業によってはお決まりの質問やパターンがあり、事前に聞いておけば十分な対策を行って本番に臨めます。
 

大企業への転職ならヘイズ・ジャパン

大企業という言葉に明確な定義はありませんが、中小企業に該当しない企業のことを指して使われます。全企業数のうち中小企業が圧倒的な割合を占める日本国内において、希少な存在である大企業は、社会的な信用度や安定性が高く、福利厚生などの条件も良いため採用でも人気があります。
 
大企業への転職を成功させるためには、自分に合った企業を選び、準備と対策を行うことが重要です。自分1人では不安な場合には、転職のプロに相談してみましょう。
 
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