事務職の志望動機の書き方|未経験者の例文も紹介
事務職は、書類作成や電話対応などの業務全般を担う職種ですが、営業事務や医療事務など多くの種類に分けられます。希望する事務職へ転職するためには、業務を理解した上で経験やスキルをどう活かせるかを志望動機でわかりやすく盛り込むことが大切です。
この記事では、事務職の志望動機の書き方について、履歴書に書く例文も含めて紹介します。事務職の主な種類や年収など転職に役立つ情報もまとめていますので、「事務職の志望動機が書けない」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
主な事務職の種類
事務職と言っても種類によって業務内容は異なるため、まずは各職種の仕事を理解しましょう。ここでは、主な事務職の業務内容や求められるスキル、平均年収などについて詳しく紹介します。
一般事務
一般事務は、書類作成や伝票入力、電話応対、来客応対といった幅広い社内業務を行う事務職です。データ入力や郵送物の仕分け・配送、他の社員の業務サポートなど、担当する業務は多岐に渡ります。
迅速かつ正確な事務処理能力や、他部署の社員とも必要なやり取りをこなせるコミュニケーション能力が求められます。社内のさまざまな業務を依頼される立場のため、気持ちよく仕事を引き受ける姿勢や意欲が必要でしょう。
大手人材系企業「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」によると、一般事務の平均年収は約335万円です。男性の平均が約394万円、女性は約316万円と男女差が大きいことがわかります。また、年代によっても異なり、20代では約304万円ですが、30代で約345万円、40代だと約367万円と年齢とともに高まる傾向です。
営業事務
営業事務は、営業部署におけるサポート役としてさまざまな事務作業を担当する事務職です。見積書や請求書など書類作成やデータ集計、顧客管理の他、来客対応、電話・メール応対など多くの業務を行います。
営業社員1人に対して1人ずつ営業事務職が付くケースや、部門全体を数人で分担するケースなど、企業によって体制は異なります。見積もりや会計に関する知識や事務処理能力に加えて、来客でのビジネスコミュニケーション能力や接客力も必要です。
営業事務の平均年収は約334万円で、一般事務とほとんど変わらない金額です。男性の平均年収は約384万円、女性は約352万円と、一般事務に比べて男女差は少ない傾向があります。年代別の年収は20代では約307万円ですが、30代になると約350万円と大幅にアップしています。
経理事務
経理事務は、経理部署の補佐役として事務作業を行う事務職です。日頃の伝票整理や給与計算から、決算書類作成、お金の出納など、経理に関わる仕事全般を担当します。企業によっては経理スタッフと経理事務が明確に分けられていないケースもあります。
経理知識を持つ人材が求められるため、簿記などの資格を持っている、あるいは取得予定であるといったアピールが有効です。また、税務知識があることを経験と絡めて説明できると良いでしょう。
求人ボックスのデータでは、経理事務の平均年収は約344万円です。一般事務や営業事務よりも専門的な知識やスキルを要するため、比較的年収は高額な傾向があります。正社員の給料レンジは約278〜838万円と広く、勤務先や求められるスキルによって差が出るでしょう。
医療事務
医療事務は、病院やクリニック、健診センターなどで、診療の受付や会計、診療報酬請求などの仕事を担当します。勤務先の規模や業態によって具体的な業務内容は異なりますが、受付で患者と直接やり取りするため、接客スキルやコミュニケーション能力が必要です。
また、医療費請求にあたって正確かつ迅速な計算処理能力も要します。医療事務に関する資格があれば転職時にアピールできるでしょう。
医療事務の平均年収は約285万円と、他の事務職に比べて低い水準です。男性の平均が約361万円、女性が約275万円と100万円近くの差が出ており、理由としてパートやアルバイトといった雇用形態や勤務日数のばらつきなどが考えられるでしょう。
その他
上記の他、小中学校や高校などの学校で働く学校事務・大学事務、輸出入に関する事務作業を行う貿易事
務などもあります。また、翻訳・通訳、秘書、総務なども事務職に分類されます。
各事務職の平均年収は、貿易事務で約376万円、翻訳・通訳で約356万円、秘書で約326万円です。貿易事務や翻訳・通訳は、海外とのやり取りや書類作成ができる高い語学力や専門知識を要するため、一般的な事務職に比べて高給な傾向があります。また、社長や役員の仕事をサポートする秘書は、スピーディかつ臨機応変な立ち回りや気配りなど、幅広い能力を要します。
履歴書の志望理由の書き方3STEP
事務職の志望動機には「志望理由」「エピソード」「入社後の意気込み」という3つの要素を盛り込みましょう。3つの要素を順番に組み合わせることで、わかりやすく効果的なアピールが可能です。
1.志望理由
まず冒頭で志望理由を書きます。多くの志望者の履歴書に目を通す採用担当者は、志望動機の全文を読むとは限りません。「なぜ事務職に就きたいのか」「どうして応募先企業を選んだのか」といった最も伝えたいことを最初に述べることで、簡潔に要点を伝えることができます。
また、ビジネスシーンにおいて結論を先に持ってくることは鉄則ですので、ここでマスターしておきましょう。社風や事業内容など応募先企業の特徴や、企業の事務職についてどのような点に興味を持っているか、などを交えると説得力が増します。
2.エピソード
続いて、志望理由に至ったエピソードや経緯を説明します。自分の経験や価値観に基づき、事務職を志したきっかけや応募先企業に魅力を感じている点に、自分ならではのポイントを組み合わせることで、他者との差別化に役立ちます。
事務職は裏方として他の社員をバックアップする職種です。学生時代のアルバイトや部活動でのマネージャー経験など、「自分のアイデアを提案してチームに感謝された」といった経験談は志望動機に大いに活かせます。
3.入社後の意気込み
志望動機の最後には、入社後どのようなことに取り組んでいきたいのか、意気込みを記載します。「〇〇の能力を発揮したい」「〇〇で貢献したい」など、入社後の活躍がイメージできるビジョンを記載することで、入社意欲や熱意が伝わり、採用確率がアップします。
事務職はどの企業でも必要な職種であり、経験を積むことで将来的にさらなる活躍の場が開ける可能性があります。事務職のキャリアアップ方法としては、担当部署のマネージャー以外にも、スペシャリストとして事務職を極めることで、実力が評価され昇進や昇給につながります。また、若手や新入社員の教育やマネジメント経験もアピール材料として有用です。
さらに、キャリアチェンジという選択肢もあります。営業事務から営業への転向など、事務職で培ったコミュニケーション能力やOAスキルを活かせる仕事へのチャレンジも可能です。
事務職の志望動機例文
ここからは、事務職の志望動機の例文を具体的に見ていきましょう。先述した各々の事務職について、未経験者と経験者に分けて志望動機の例を紹介します。いずれも「志望理由の書き方3STEP」で説明したポイントを盛り込んでいますので、照らし合わせながらチェックしてください。
【一般事務】経験者
【志望動機例】
「私は、現在の会社で約7年一般事務を担当しています。現職では分業化が進んでおり、業務が固定化されている分裁量を持ちにくいと感じていました。社員1人ひとりが経営視点を持って仕事に取り組める環境を掲げている貴社に魅力を感じ、この度応募しました。
「私は、現在の会社で約7年一般事務を担当しています。現職では分業化が進んでおり、業務が固定化されている分裁量を持ちにくいと感じていました。社員1人ひとりが経営視点を持って仕事に取り組める環境を掲げている貴社に魅力を感じ、この度応募しました。
日ごろの業務では、受発注や売上のデータ集計といった事務作業を担当しており、Excel、Word、PowerPointなどOfficeソフトは一通り使用できます。特にExcelの関数を用いたデータ集計が得意で、部署での業務効率化に貢献した経験があります。
入社後は、身に付けた事務処理スキルを活かしつつ、業務の幅を広げながら縁の下の力持ちとして貴社に貢献したいと考えています。」
経験者の場合、現在の仕事内容からパソコンスキルや業務処理能力を伝えやすいでしょう。個人の仕事に加えて、部署や企業全体の業務効率化に関わる経験について、注力したポイントがあればアピール材料になります。
【一般事務】未経験者
【志望動機例】
「私は、前職で販売担当者として約3年務めましたが、より直接的に社員をサポートする仕事がしたいと思い、事務職への転職を希望します。バックオフィスからの積極的な情報発信を行っている貴社なら、裏方としてのサポートに加えて、幅広い業務を経験できると考え、応募いたしました。
前職でもパソコンを使っていましたが、さらなるスキルアップを目指して、休日はOfficeソフトを学べるスクールに通っています。前職の接客業務で身に付けたコミュニケーション能力や臨機応変な対応力を活かし、周囲の人がスムーズに仕事に取り組めるよう細やかにサポートできる事務職として、貴社の組織や事業に貢献したいと考えています。」
未経験から一般事務職を目指す場合、仕事に興味を持ったきっかけや実現したいキャリアを明確に記載することが大切です。また、コミュニケーション能力や協調性といった人間性もアピールポイントとして有用です。
【営業事務】経験者
【志望動機例】
「私は、不動産会社にて営業事務として約5年間、受発注処理やメール対応などを担当しました。より将来性のある業界にチャレンジしたいと思い、業界のリーディングカンパニーである貴社へ応募いたしました。
「私は、不動産会社にて営業事務として約5年間、受発注処理やメール対応などを担当しました。より将来性のある業界にチャレンジしたいと思い、業界のリーディングカンパニーである貴社へ応募いたしました。
前職では、見積書作成や営業経費の精算といった営業事務業務に加えて、電話やメールによる顧客折衝も行っていました。顧客管理システムにおけるルールの統一化により、社員の残業時間を削減することに成功した経験があり、貴社の営業部署でも業務効率化や売上向上のために注力したい所存です。
入社後には、幅広い業務を経験しながら自分自身も成長し、営業チームをサポートしたいと考えています。」
経験者の場合、現職または前職での所属部署の営業スタッフ数や業務内容を記載し、どのような仕事をしてきたかを具体的に伝えましょう。顧客対応の経験があれば電話・メール対応だけでも十分アピール可能です。
【営業事務】未経験者
【志望動機例】
「私は、ITソフトウェア開発会社で3年ほど営業職として勤めています。顧客管理や売上管理の資料作成や、訪問時の準備などの効率化の重要性を感じており、営業事務により興味を持つようになりました。多くの業界で注目されている貴社の営業業務に貢献したいと思い、この度応募いたしました。
自分用として独自に作成したCMSのフォーマットや受発注管理用のチャートが評価され、部署全体の基本フォーマットとして採用された経験があります。入社後は、営業マンのサポート役として会社の業務改善や組織運営に貢献したいと考えています。」
営業事務は営業マンのサポート業務が中心なので、未経験の場合サポートの仕事に興味を持ったきっかけや動機を明確に伝えましょう。営業に関する業務経験やキャリアチェンジを考えた理由とあわせてアピールすることが大切です。
【経理事務】経験者
【志望動機例】
「私は、現在の会社で約4年、経理事務として経理主担当の補佐を行ってきました。簿記などの資格やスキルを活かせるため、仕事を通してやりがいを感じていますが、さらに業務の幅を広げたいと思い、国内だけでなく海外にも拠点を展開している貴社に応募いたしました。
経費精算や会計管理システムへの入力業務では、計算や作業の正確性に評価を受けました。また、月次決算や決算補助業務、経理資料作成などの経験もあります。事業拡大の一途を辿る貴社の経理事務として、これまでの経験を活かし、正確かつ迅速に業務を遂行しながら、貴社に貢献したいと考えています。」
経験者の場合は、前職あるいは現在の会社で経理事務として得た経験やスキルをエピソードとともに説明しましょう。簿記検定やTOEICなど、応募先企業の特性に合ったスキルや資格もアピール材料として有用です。
【経理事務】未経験者
【志望動機例】
「私は、前職では飲食店の店舗スタッフとして約2年勤務していました。接客に加えて、日々の売上管理や売上報告書作成、食材の仕入れ管理、アルバイトやパートのシフト管理など事務業務全般に携わる中で、事務の仕事に力を入れたいと思うようになりました。
貴社の経営方針や店舗へのサポート体制に共感し、親身にサポートできる未経験からの経理事務の求人に応募いたしました。1日も早く戦力となれるよう、在職中に日商簿記3級の資格を取得し、現在2級取得を目指して準備しています。」
未経験の場合は、「資格を活かしたい」「会社経営に携わりたい」など経理事務を志望する理由を明記しましょう。また、関連資格の取得や取得予定があれば、意欲や積極性をアピールできます。
【医療事務】経験者
【志望動機例】
「私は、個人経営の内科・小児科クリニックで約4年、受付やカルテ入力、レセプト作成を中心に医療事務を担当しています。この度、医療事務としてのスキルアップのために、より規模の大きな総合病院で幅広い業務をこなしたいと思い、求人に応募いたしました。
現在は、高齢者や小さな子どもの患者が多く、迅速な会計や細やかな接客対応を通して、居心地の良い環境づくりに力を入れています。また、後輩スタッフの育成も任されており、後輩の成長を間近で感じられることもやりがいです。
採用後は、さまざまな症例や疾患に対応することはもちろん、常に患者の立場に立ってスピーディに業務を行い、スタッフともスムーズに連携して貴院に貢献したいと考えています。」
経験者の場合は、前職あるいは現職での具体的な業務内容に加えて、勤務先の規模や診療科名、スタッフ数や1日に対応する患者数などを明記します。また、スタッフや患者との向き合い方、心がけていたことなどを盛り込むと仕事ぶりをイメージしやすいでしょう。
【医療事務】未経験者
【志望動機例】
「私は、介護スタッフとして約7年間勤務していました。施設での高齢者やそのご家族と触れ合う中で、健康や医療への関心が高まり、医療現場で多くの人の役に立ちたいと考えるようになりました。
私自身過去にお世話になっていた貴院は、スタッフの皆さんが明るく笑顔で働かれていた印象が残っており、ぜひ貴院の一員になりたいと思いこの度応募いたしました。現在は医療事務技能審査試験の合格を目指してスクールに通っており、医療事務という専門性のある業務に活かしたいと考えています。」
未経験から医療事務を目指す場合、コミュニケーション能力や実務に役立つスキルを発揮できた経験についてアピールできると良いでしょう。
事務職の転職ならヘイズ・ジャパン
事務職には、一般事務や営業事務、経理事務など多くの職種があります。仕事内容や給与額はそれぞれ異なるため、自身が目指す事務職に合わせて志望動機を書くことが大切です。
志望動機は、理由と求められる能力やスキルの裏付けとなるエピソード、そして入社後の意気込みを3ステップで盛り込むとアピールができます。ここで紹介した例文を参考にして、説得力のある志望動機を仕上げましょう。
ヘイズ・ジャパンでは、事務職のスペシャリストを目指す方の求人案件も紹介可能です。充実したサポート体制で、希望する企業や職種への転職を成功させる支援を行っています。未経験からの事務職転職について有用なアドバイスが可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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