憧れの仕事も夢じゃない、キャリアアップを導くスキル活用方法
求人広告を見て、「これはチャレンジしてみたい仕事。でも、応募資格のなかに条件を満たしていないものがある…」と思い、こんな理由で応募をあきらめてしまった経験はありませんか?「経験不足だから」「十分な専門知識がないから」と、カバーレターや履歴書を作成する意欲すらなくしてしまったことはないでしょうか?
このような経験は、年齢やキャリアを問わず多くの求職者に共通するもの。転職活動時には、誰もが同じ迷いや悩みに直面します。しかし、現在の求人状況を見てみると、応募資格を完全に満たしていないからといって、自信を喪失する必要は決してありません。
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というのも、特に成長中の産業や生まれたばかりの業界では、多くの企業が慢性的な人手不足に直面しています。また、高度な専門性が必要な特殊スキルや技術スキルと同じように、コミュニケーション力やリーダーシップなど、ソフトスキルの重要性を認識するようになっています。
求職者には追い風か?
企業側の変化に伴い、求職者のなかにも、多様な職種や業種で応用できる「トランスファラブルスキル」の価値に気付き、アピールする傾向が見られるようになりました。このスキルは、ビジネスパーソンの“隠れた価値”です。このスキルを武器に、かつては高嶺の花と思われていた求人にもチャレンジする求職者が増えつつあります。
自分では無価値だと思っていても、他の業界や企業からは強く必要とされているスキルもあります。それは時に、日本語や英語など母国語を操る力であったりします。
つまり、これまで価値を認められていなかったスキルが評価される時代になったと言えるでしょう。誰もが隠れた自分のスキルに気付くことで、以前なら検討すらしなかったような仕事に就ける可能性に出会えることも。加えて、応募プロセスの最中に、採用担当者が隠れたスキルを認め受け入れてくれることがわかり、そのスキルを強調するなど、転職を成功させるチャンスが生まれているのです。オフィスアドミニストレーターなどサポート職の経験者であれば、調整能力に優れています。将来は、秘書などのパーソナルアシスタントとして活躍できるかもしれません。ラジオ局のDJであっても番組のために広告営業をした経験があれば、不動産の営業職に転職できるかもしれません。IT部門で働いていた会社員の中には、AIの台頭が目覚ましい自動車産業で高収入の仕事を獲得している人もいます。このように、すでに身に着けているスキルがほかの業界や職種でも活かせないかを考えてみることが重要です。
では、このようなキャリアチェンジを実現するためには、一体どのような準備が必要なのでしょうか。私は、以下のアプローチをお勧めしています。
ステップ1 自分の隠れたスキルを知る
これまでに経験した仕事やボランティア活動、学生生活、クラブ・サークル活動、趣味を振り返ってみましょう。これらの活動で、何らかのトランスファラブルスキルを活用していたはずです。
また、周囲から褒められた経験もヒントになります。学生時代でも社会人になってからでも「チームを上手くまとめている」、「アドバイスが合理的で具体的」、「頼りがいがある」などと褒められたことはありませんか?
これらを手掛かりに自分のトランスファラブルスキルを考えて、リストにまとめてみます。そのなかから、特に自分が楽しんで活用できたもの、仕事にも応用できそうなものを選ぶのが◎。
ステップ2 そのスキルを発揮できる仕事を特定する
ステップ1で選んだスキルを発揮できるのは、どの業界、企業、仕事なのかを考えます。転職サイトなどを参考にしたり、ヘイズの求人ページを見たりして、キーワードを上手く使ってリサーチしてみてください。
転職エージェントに相談してみるのもお勧めです。どの業界や仕事で最も需要が高いかなど、トレンドや需給を知っているからです。「スキルアップしてから転職した方がいいのだろうか」などの悩みに対しても、スキルアップが必要であればどんな方法が効果的なのかなど、豊富な情報を元にしたフィードバックを得ることができます。信頼できるエージェントからのアドバイスを上手く活用しましょう。
ステップ3 転職活動を開始する
自分のトランスファラブルスキルや、これを発揮できる分野がわかったら、転職活動の準備開始です。履歴書や職務経歴書に、今回発見したスキルや、そのスキルを活用した例をアップデートしましょう。転職エージェントや応募企業との面接時やカバーレター作成時には、このスキルを仕事でどのように活かしていくのか、わかりやすく説明します。
全てのスキルはトランスファラブルです。しかし、そのスキルを真に発揮できるかどうかは自分次第。どのような仕事に就くか、転職活動を始める前にどのスキルをどのように磨くかによって、それらのスキルを活用できるかは異なってきます。まずは仕事で発揮できる自分の強みを持つこと、それが、かつては憧れにすぎなかった仕事に近づく大きな一歩になるかもしれません。
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著者
マーク・ブラジ
リージョナル・マネージング・ディレクター
2022年にアジアのリージョナル・マネージング・ディレクターに就任。
2012年に香港のリージョナルディレクターとしてヘイズに入社。2014年には、ヘイズ・タレント・ソリューション事業の責任者を担当し、2015年にヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターに就任。正社員や役員、派遣社員、契約社員の紹介、オンサイトソリューションなど、あらゆる専門分野における日本事業のオペレーションと成長の責任を担った。
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アジアでビジネスをリードし、成長させてきた実績があり、幅広い業界と職種に関する専門知識を有している。人材業界の前は、自動車業界にてさまざまな営業やマーケティングのマネジメントを務めていた。ビジネス改革とチェンジマネジメントの経験が豊富で、機能横断的なチームの構築、育成、指導に長けている。また、ニュージーランドリーダーシップ研究所の理事を務め、アッシュブリッジビジネススクールで戦略を学んでいた。